Xbox Game Pass
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マイクロソフトのゲーミング部門CEOでXbox責任者のフィル・スペンサー氏が、定額ゲームサービス「Xbox Game Pass」を実現するために行った社内闘争が明らかにされています。

海外ではXbox Game Passは2017年6月に開始され、日本でのサービス開始は2020年から。お手ごろ価格で100以上のタイトル(定期的に新規タイトルが加わり、既存タイトルと入れ替えられる)を楽しむことができ、ファーストパーティタイトル『HALO Infinite』や『Forza Horizon5』がリリース初日から提供されるほか、MS傘下となったBethesda Softworksの『Fallout 4』なども対象となっています。

さて米The Wall Steet Journalは、スペンサー氏がXbox Game Pass実現を推進するさいに、社内から大きな反発を受けていたことを伝えています。Xbox事業に12年間勤務していた(2016年に退社)リチャード・アービング氏によると、会議ではスペンサー氏の部下達が反対していたとのことです。

反対派が理由として挙げたのは「パブリッシャーが参加しない、利益を食い潰す」といったもの。しかしスペンサー氏はノーと言わせず「常に、うまく行く方法を見つけようとしていた」と語られています。

さらに現在Xbox Game Passを担当するサラ・ボンド氏は、ちょうどGame Passが開始された2017年に入社し、スペンサー氏がビジョンを少しずつ構築していくのを見守ってきたそうです。「彼は忍耐強い人です」「彼は私よりもはるかに長い時間をかけて物事を考えています」とされ、長期的な視点から粘り強くプロジェクトが進められたことが語られています。

なぜ、そこまでGame Passに情熱を持てたのか。上述のアービング氏は「私は、フィルが過去1年間に発売されたすべてのゲームをプレイし、それにつき意見を持っていたとしても驚きません。フィルは根っからのゲーマーなのです」と述べています。

MSは約7.8兆円でのアクティビジョン・ブリザード買収計画を発表する際に、Xbox Game Passの加入者が2500万人に達したことも明かしていました。ソニーもGamePassに対抗してPS2やPSPなど過去のタイトルが遊べる定額ゲームサービス「Spartacus」を準備中と噂されていますが、社内での反発の中でスペンサー氏が自らのビジョンを信念をもって推進したことが、ゲーム業界の構造を大きく変えていくのかもしれません。

Source:The Wall Street Journal

via:Wccftech