マリナーズ・イチロー(右)【写真:盆子原浩二】

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開幕予想25人の11人が怪我、解説「これがウィークポイント」

 マリナーズイチロー外野手は14日(日本時間15日)、米アリゾナ州ピオリアでの本拠地ジャイアンツ戦に「1番・左翼」で先発。1回守備には就いたが、右ふくらはぎの張りで打席には立たず、代打を送られた。イチローが入念に行うストレッチのルーティンはアメリカでも有名で、44歳とは思えぬ柔軟な体はたびたび注目を浴びている。その体に起きた異変を、地元メディアは「筋肉の張りなど最も予想がつかない選手」と驚きとともに報じている。

 想像だにしない展開だった。1回表にレフトの守備に就いていたイチローだが、マリナーズの攻撃になってもダグアウトから出てこず。代わりにアンドレオリが打席に入った。

 地元シアトルで試合を中継するテレビ局「Rootスポーツ」の実況は、「イチローがリードオフでしたが、スクラッチとなりました。イチローは1回表には守備に就いていたのですが…。少々困惑しています」と、背番号51の異変を心配そうに伝えた。

 球団は右ふくらはぎの張りと発表。すると、解説を務めるマイク・ブロワーズ元内野手は、この春にマリナーズで続出する故障者に嘆き節。「これはマリナーズのウィークポイントになっています。ロビー(・カノ)はハムストリング、ネルソン(・クルーズ)は大腿四頭筋。今度はイチローはふくらはぎです」と、自然と語り口も沈んだ。

入団会見から7日、解説は「怪我の予防」との見通し

 イチローといえば、44歳ながらも故障知らずの鉄人として有名だ。昨年所属したマーリンズでは、スプリングトレーニングの守備練習で同僚と交錯して脇腹を痛めるアクシデントが発生したが、クラブハウスや試合中にも入念なストレッチを欠かさず。特に筋肉系のトラブルとは無縁だっただけに、実況は「イチローは筋肉の張りを覚えるとは最も予想がつかない選手です。彼のストレッチのルーティンはあまりに有名ですからね」と驚きを隠せなかった。

 ブロワーズ氏は「(キャンプで)彼はあまりプレーしてきませんでした。そして、すぐに試合に出場しています。フィールドに立たないとわからないこともあります。(途中交代は)怪我の予防という意味だと思います。問題ないでしょう。1、2日で復帰すると思いますよ」と分析。イチローが古巣マリナーズに6年ぶりの復帰会見を行ったのが現地7日。それからまだ7日しか経っておらず、十分な調整時間もないままに実戦に突入していた。 

 外野手ベン・ギャメルの負傷をきっかけに、イチローの復帰が決まったように、今春のマリナーズには怪我人が続出している。この日は正遊撃手のジーン・セグラが右太もも裏の張りを訴えて4回守備で途中交代。地元ラジオ局「ESPNシアトル」で司会を務めるマイク・ソーク氏のツイッターによれば、開幕ロースター入りが期待される25選手の44%、実に11人が負傷したという。怪我に取り憑かれた感のあるマリナーズだが、開幕に間に合わせることはできるのだろうか。(Full-Count編集部)