香り高く、青々としたニッポンの畳の魅力
ところが、あの新鮮な香りは国産のイグサにしかないことを大阪市内の畳屋に教わった。生活様式の欧米化が進む中で、業界の生き残りに努力を傾けている若手経営者である。
すでに都会のマンションの多くは、和室ばかりでなく仏壇や床の間のスペースがない。エアコンが普及して部屋の気密性が高まるにつれて、調湿性よりアレルギーへの不安から畳は敬遠された。
用途開発が進む一方で、畳表を返して香りを2度楽しむような伝統的な使い方は、廃れているのかもしれない。日本のイグサ農家の数と生産量は少しずつ減っている。「本物が消えてしまう」と前述の経営者は危惧する。香り高く、青々とした新しい畳の魅力が見直されることを願う。
