相変わらずさえない展開が続く米国株相場。しかし、ブラジル株が年初来高値を更新するなど、 10 月の外国株相場は国・地域によってまちまちに推移した。今月も外国株のホットな話題を盛りだくさんにお届けします。

プミポン国王逝去もタイ株相場は急回復。ブラジル株の高値続く

10 月の外国株相場は、米国のNYダウ平均が軟調に推移したものの、中国株とブラジル株は上伸。特にブラジルの主要インデックスであるボベスパ指数は、前月末に比べて11 ・2%高と好調ぶりが目立った。

米国株は、2016年中に追加利上げが実施されるとの見通しがくすぶっていることに加え、大統領選挙が目前に迫っていたこともあって方向感の定まらない展開となった。NYダウ平均の 10 月の終値は前月末に比べて0・9%安の1万8142ドルに。 10月 13 日には一時1万8000ドルを割り込んだが、この時期発表された経済指標や7〜9月期の企業業績がおおむね好調だったことから、翌日にはすぐに大台を回復した。

しかし、相場の勢いに力強さは感じられず、月末に至るまで混迷状態が続いた。

中国本土株は、 10 月1日から7日までの国慶節(建国記念日)休暇が明けた 10 日の上海総合指数が、休暇前日より1・45%高と2カ月ぶりの大幅上昇を記録。その後も、中国政府による過剰生産能力削減策が効果を発揮しつつあるとの期待から、エネルギー株や原材料株などを中心に相場を押し上げた。 10 月の上海総合指数の終値は前月末に比べて3・2%高となった。

ブラジル株相場は、 10 月2日に行なわれた同国の地方選挙で、テメル新政権の地盤固めが進んだとの期待などから上昇気流に乗ったようだ。

同国のボベスパ指数は 10 月5日に節目の6万ポイントを超え、 10 月の終値は6万4924ポイントと前月に引き続き年初来高値を更新した。

東南アジアでは、タイのSET指数が 10 月 10 日に急落。プミポン国王の容体悪化の知らせが悪材料となった。しかし国王が逝去した翌日の14 日に相場は急回復。国民による消費抑制などの動きはさほど懸念されていないようだ。