過去の反省を生かす・鹿児島玉龍

鹿児島玉龍・堀脇

 鹿児島市内の強豪同士、2回戦屈指の好カードは鹿児島玉龍がシード鹿児島南を下した。

 2回、鹿児島玉龍は9番・玉利 太雅(3年)、1番・島津 智隆(3年)の連続タイムリーに押し出しで3点を先取する。4回にも2番・室尾 倫太朗(3年)、4番・中島 克大(3年)のタイムリーで2点を加えた。この2イニング、単打のみ8安打を集中して5得点。長打はなかったが「低いゴロでヒットを打ってつなぐ」(堀脇 雄太主将・3年)練習通りの打撃で、前半勢いに乗ることができた。

「過去に悔しい思いをして、練習してきたことが生きました」と水口 義昭監督。エース堀脇は昨秋、ピンチになるとワンポイントリリーフを仰いでいたが「先発したら完投するのがエース」と背番号1の意地をマウンドで貫き、完投勝利。「低めに投げる意識を徹底できたことで良いリズムが攻撃にもつながった」と納得の出来だった。

 9回裏は二死一、二塁とピンチを招き、1番・羽生 尚矢(2年)にライトフェンス直撃の長打を浴びる。二走の生還は許したが、ライト玉利、セカンド室尾と素早くつないでバックホーム。三塁を中途半端にオーバーランした一走を三塁で刺し、ゲームセットになった。

「中継プレーの練習は日ごろからやってきました」と水口監督は語る。思い返せば13年秋の3回戦で大島と対戦した際、9回に長打を浴びて同点に追いつかれ、延長でサヨナラ負けを喫したことがあった。そのあと大島は快進撃を続け、21世紀枠でセンバツ出場を果たした。

「あのとき、中継プレーでホームを狙いにいかなかったことを、今でも悔やんでいるんです」と水口監督。別の塁でのアウトを狙った中継プレーに入ってしまったために同点に追いつかれた反省から、走者がいるときに長打を浴びた場合は、まずバックホームから考えることを徹底してやってきた。その練習通りのプレーで最後のアウトをとることができた。

(文=政 純一郎)

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