レッドソックス・上原浩治【写真:田口有史】

ナショナルズ戦で1回2奪三振で今季初セーブ、復帰初戦で圧巻の投球

 レッドソックス上原浩治投手が14日(日本時間15日)、本拠地でのナショナルズ戦で今季初登板した。2三振を奪う快投で相手クリーンアップを三者凡退に抑え、1セーブ目をマーク。圧巻の投球に地元メディアは絶賛の嵐となった。

 左太もも痛で故障者リスト入りしていた上原が8−7のリードで迎えた9回表に登場すると、本拠地フェンウェイ・パークにおなじみの登場曲「サンドストーム」の電子音が流れる。レッドソックス公式ツイッターは「サンドストームが鳴り響く。つまり、チームウエハラタイムだ」と守護神の復帰を歓迎した。

 地元紙ボストン・グローブのピート・エイブラハム記者は、自身のツイッターで「コウジ・タイム。そして、フェンウェイの観衆はこれを愛している」とレポートしながら「コウジはハーパー、ジマーマン、そして、ロビンソンを迎える。簡単ではないかもしれない」とツイート。復帰初戦にして、今季の世界一候補筆頭とされるナショナルズの強力クリーンナップといきなり対戦することに懸念も示していた。

 だが、上原は先頭打者の強打者ハーパーをカウント2−2と追い込むと、最後はスプリットで空振り三振に仕留めた。

「コウジのスプリットは最高すぎる。申し訳ないけど、自分を抑えきれない」

 伝家の宝刀の凄まじい切れ味に番記者も大興奮。「ブライス・ハーパーがミスター・スプリットに遭遇」とエイブラハム氏がツイートすると、MLB公式サイトの番記者、イアン・ブラウン氏も「コウジのスプリットは最高すぎる。申し訳ないけど、自分を抑えきれない」と心の高ぶりを表現している。

 続くジマーマンには、初球ストライクの後に2球目は内角高めへのストレート。大飛球でレフトへ運ばれたが、わずかに切れてファウル。ナショナルズはチャレンジを要求したが、ビデオ判定でも判定は変わらずに2ストライクとなり、4球目のスプリットでレフトフライに仕留めた。

 3人目のロビンソンもカウント2−2から5球目のスプリットで空振り三振。三者凡退の鮮やかなピッチングで、復帰初戦で今季初セーブを挙げた。

 エイブラハム記者は「三者凡退、それがコウジタイム。レッドソックスは8−7での勝利でチームは6勝2敗」と絶賛。ボストン・グローブ紙の番記者アレックス・スペイアー氏も「大飛球のファウルボールもあったけれど、ウエハラは9回を2奪三振を含めて完璧に抑え、レッドソックスのピッチャーで今季初となるセーブを記録」と報告。チームにとっても今季8試合目での初セーブだったという。

 ファンのみならず、長年レッドソックスを見守り続ける番記者をも魅了する40歳のクローザーは、2年ぶりのワールドシリーズ優勝に向けて突き進む。