スーパーに潜む“危険な食べ物”の見分け方&避けるべき「食品添加物」10

写真拡大

TPPやEPAの影響で、ますます「食の安全」が気になる昨今。誰もが少しでも身体によいものを、と日々食品を選んでいることでしょう。

何を選ぶかは個人の自由。でも、いちばん困るのが「身体によいと思って買っていたものが、実は身体に悪いかもしれない」ということです。そこで、食品を選ぶ際に注意したいポイントをまとめてみました。

おいしいけど…実は「毒」! “食べ過ぎ注意”な物6つ

■1. 野菜はやはり「旬」のものを

一般的なスーパーで売られているような見た目のきれいな野菜は、農薬なしでは育ちません。世界的に見ても日本は“農薬大国”といわれ、種類によって差はあるものの、野菜が育つまでに“何十回”もの農薬が普通に使用されます。またイチゴのほか、ブドウ、梨などのフルーツ類は特に農薬なしで育てるのが難しく、頻繁に農薬が使われます。

野菜や果物が健康によいことは誰もが知っていますが、「発がん性」「遺伝毒性(毒性の影響が子孫にまでおよぶ)」「催奇形性(子の体に奇形が表れる)」といった農薬のリスクも抱えているのです。

時期外れのイチゴをはじめ、一年中出回っているトマトやキュウリ、ナスなど、ハウス栽培で作られる野菜は、農薬そのものの散布が多くなります。また、農薬は雨で流されたり、紫外線で自然に分解されたりしますが、屋内で作られる野菜には、より農薬が残留しやすくなります。

■※“緑が濃すぎる”野菜に注意

また、気をつけたいのが、いかにも“抗酸化作用”が強そうな“緑の濃い野菜”です。これら濃い緑のもとになっているのは「硝酸塩窒素」という物質で、体内でタンパク質と結合すると発がん物質を生成すると言われています。

硝酸塩窒素はもともとホウレン草などの葉物野菜に含まれる成分で、適度な摂取ならばよいのですが、最近では肥料の与えすぎによる硝酸塩窒素の作物への残留や、環境汚染が深刻になっています。

葉物野菜は硝酸塩窒素を蓄えやすく、その含有量が多くなると緑がいっそう濃くなるため、色の濃さだけで良し悪しを判断するのは避けた方が無難です。また、ハウス栽培では硝酸塩窒素の野菜への残留も多くなるので、野菜を買うならなるべく旬のもの、屋外で露地栽培されたものを選んだ方がよいといえます。

ちなみに、輸入のグレープフルーツ、オレンジ、レモンなどには、“毒性が強い”と言われる「オルトフェニルフェノール(OPP)」「チアベンダゾール(TBZ)」などの防カビ剤も使われています。野菜も果物も、健康のためにと毎日大量に食べることは、おすすめしません。

またコンビニなどで手軽に買えるカット野菜は、日持ちをよくするため「次亜鉛素酸Na」という殺菌剤で洗浄されています。食品には残っていないと言われていますが、念のためご注意。

■2. お肉の質を決めるのは「育ち方」

EPA(日豪経済連携協定)の締結によって、スーパーなどで割安な豪産牛肉を見かける機会が多くなりました。アメリカやオーストラリアでは、家畜に「ホルモン剤」を投与することが認められています。家畜をみるみる成長させ、“効率的”に生産し、収益を上げることができるからです。

ホルモン剤の安全性評価は十分になされていないため、日本では使用が認められていませんが、いろいろな経緯で輸入されてきた食肉は、“安くてそれなりに旨い肉”として、今後もますます国内に流通していくとみられます。

外国産に限らず、安い食肉は密度の高い場所で“大量生産”されます。あまり衛生的とはいえない環境で窮屈に育てられると、家畜が病気になったりするため、それを防ぐために「抗菌剤」や「抗生物質」が使われます。(農家の方もそうですが、生産者の方の健康も懸念されます)

また、多くの家畜の餌には、「遺伝子組み換え」や「残留農薬」といった問題を含む、菜種や大豆、トウモロコシなどの安価な輸入作物が使われているという点も、覚えておきたいポイント。やはり、できるだけ伸び伸びとした環境で、質のよい餌を食べて育ったものを選びたいところです。

■3. 魚は「新鮮さ」で選ぼう

魚介類には養殖ものと天然ものとがあります。比較的値段の手ごろな養殖の魚介には、病気を防ぐための「抗菌剤」や「抗生物質」が使われます。では、天然の魚はというと、陸から流れ出た汚染物質や水銀の蓄積といった懸念材料があります。食物連鎖により、マグロなどの大型の魚は、有害物質を凝縮しながら体内に蓄積していきます。

また、魚には身体によいDHAやEPAなどの「不飽和脂肪酸」が含まれていますが、傷みやすいのが難点。空気に触れることで酸化し、身体に有害な過酸化脂質が発生してしまいます。(そのため、干物などには酸化防止剤や、保存性を高めるためのPH調整剤などが使われる場合があります)

ほかにも、「ネギトロ」「明太子」「シーチキン」と加工度がアップするにつれ、さりげなくたくさんの食品添加物が使われていたりします。健康のためにたくさん食べたい魚介類。とりあえず、「イキのよさそうなもの」を偏りなく選んでいくのがベターです。

■4. 食品添加物は「生もの系」「嗜好品」に要注意

食品添加物が体によい」と本気で思っている人は、おそらくいないと思います。それなのに、なぜ多くの食品に、バラエティ豊かな添加物が使われているのでしょうか?

その理由はいろいろあるにせよ、「○を混ぜると風味が落ちるから△を加える」、「◆をするとマズそうになるから▼を混ぜる」というように、何かの不具合を補い、商品として全体の調和をはかった結果、添加物の種類が増えてしまうようです。
その使い方が絶妙なため「この値段でこのおいしさはスゴイ」(=コスパが高い)となって、これまた市場に多く出回ることに。

食品添加物には、比較的安全性の高そうなものから「本当に使っていいんですか」と思われるような、強い毒性が疑われるものまで、さまざまな種類があります。

ここでは、遺伝子を突然変異させたり、体内で発がん物質に変化したり、脳腫瘍を引き起こす可能性があったり、その他ビタミンB1を欠乏させたり、カルシウムの吸収を妨げたりといった影響が指摘されている、特に注意したい食品添加物を挙げておきます。

●着色料……赤2・3・40、赤102・104・106、黄4・5、青1などのタール系色素/ウコン色素(ターメリック)/コチニール色素
●発色剤……亜硝酸Na/硝酸K
●漂白剤……次亜硫酸Na/亜硫酸塩/過酸化水素
●保存料……ソルビン酸K/ソルビン酸/安息香酸Na
●殺菌料……次亜鉛素酸Na
●酸化防止剤……BHA
●品質保持剤……プロピレングリコール(PG)
●甘味料……アスパルテーム/アセスルファムK/スクラロース/ネオテーム
●増粘剤……カラギナン
●決着剤……リン酸塩

これらの食品添加物は、傾向として「弁当・惣菜」「ハム・ベーコン」「魚肉の練りもの」「魚介の加工品」「漬物」などの生もの系、「清涼飲料水・機能性飲料」「お菓子」「おつまみ」などの嗜好品に多く含まれています。

加工品は“シンプル”かつ“わかりやすい名前”の原料で作られたものを選ぶとよいでしょう。

■5. 遺伝子組み換え作物は「糖類」や「油」にも変身

「遺伝子組み換え作物なんて、私は食べませんよ!」とキッパリ断言される方は、まず認識を180度変えた方がよさそうです。人里離れた山奥で自給自足の生活を営んでいる方ならばともかく、普通にスーパーや食料品店に買い物に行く方なら、ほぼ間違いなく普通に口にしてしまうからです。

大豆やトウモロコシ、ジャガイモ、菜種関連の製品などに「遺伝子組み換えでない」と書かれているのは、よく目にします。しかし、「遺伝子組み換え不分別」(=遺伝子組み換えです)と親切に書かれているものは、なかなか見ません。その理由は、簡単にいうと、原料に含まれる割合が少なければ表示する義務がないのです。

そのため、いろいろな形に“変身”して含まれることになります。たとえば、「果糖ブドウ糖液糖」「異性化糖」「コーンスターチ」「大豆レシチン」「ビタミンC」「クエン酸」「蛋白加水分解物」「アミノ酸」「キサンタンガム」・・・などなど。

また「食用油」や「醤油」には、遺伝子組み換え由来のタンパク質が含まれていないという理由で、遺伝子組み換えであっても表示されることはありません。今や加工品の8割に遺伝子組み換え由来成分が含まれているといわれています。

「遺伝子組み換え作物の何が問題なのか?」については、こちらの映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』がわかりやすいので、ぜひ観てみてくださいね。

■最後に

食の安全”を追求していくと、迷宮に足を踏み入れたような気分になってしまいますが、リスクを知ることで、ある程度の対処法が見えてきます。毎日の選択が食品市場を作り出している…ということを忘れないようにしたいですね。

ちなみに、野菜の農薬や、肉・魚などに含まれる有害物質は、昔ながらの下ごしらえすることで多少除去することができるようです。よく洗うのはもちろん、ゆでたり、塩でもんだり、湯通ししたりといったひと手間を、ぜひオススメします。

【参考】
『野菜の裏側 本当に安全でおいしい野菜の選び方』河名秀郎/東洋経済
『さよなら!農薬&添加物』増尾清/三才ブックス
『「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物』渡辺雄二/大和書房