1月のメルカートが近づいている。各クラブは補強と放出と、どのように動いているのだろうか。強豪クラブの現状を見てみよう。ここではラツィオ、ミラン、ナポリ、ローマをチェックする。

●ラツィオ
DFモビド・ディアキテやFWマウロ・サラテといった放出に関する問題がデリケートだ。前者は今季で契約満了となるため、2月から好きなクラブに近づける。コッパ・イタリアのシエナ戦にしか出場しておらず、契約延長しないなら起用しないというメッセージは明白だ。インテル、ミラン、ユヴェントスが水面下で動いている。サラテもローマを去るだろう。ジェノアとトリノが情報を求めた。

一方で、ラツィオは人員削減も必要だ。GKアルバノ・ビサーリ、FWセルジョ・フロッカリ、FWリボル・コザクらである。フロッカリについては、ジェノアが動いており、QPRもいる。

●ミラン
デリケートな状況にある。まずはブラジル帰国を望むFWアレシャンドレ・パトとFWロビーニョへのオファーを聞く必要があるからだ。パトのことはコリンチャンスが気に入っており、彼らは1500万ユーロ(約17億円)の買い取りでレンタル移籍を望んでいる。一方のロビーニョにはフラメンゴがいる。アドリアーノ・ガッリアーニCEOがブラジルへ行き、関心を抱くクラブと直接交渉するところだ。その結果で動くだろう。

シルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長は先日、「人格的な理由」からマンチェスター・シティFWマリオ・バロテッリに「ノーサンキュー」と言っている。上海申花FWディディエ・ドログバのことは称賛したが、コストがかかりすぎる。また、同名誉会長はFWエムバイェ・ニアンに強く期待していると明言した。出場機会が少ないにもかかわらず、同選手に感銘を受けたのだ。そのほかのメルカートに関しては謎である。

●ナポリ
すべては守備と前線だ。DFパオロ・カンナヴァーロとDFジャンルカ・グラーヴァの出場停止と、DFサルヴァトーレ・アロニカの移籍で、リッカルド・ビゴンSD(スポーツディレクター)は守備の強化に動かなければいけなくなる。シエナDFネトの獲得は単なるアイディア以上のことで、ポルトDFロランドも選択肢だ。

一方の前線では、数少ないがFWエディンソン・カバーニが出場しないときにその穴を埋める選手について考える必要がある。トリノFWローランド・ビアンキ、ヤングボーイズFWラウール・ボバディジャ、カリアリFWネネ、フロッカリらは、それぞれ良い選手たちだ。

なお、GKモルガン・デ・サンクティスについては2年間の契約延長が発表を待たれている。一方でDFウーゴ・カンパニャーロは6月、契約満了で退団するだろう。可能性がある移籍先はインテルとユヴェントスだ。

●ローマ
全員のためにも、MFダニエレ・デ・ロッシは残さなければいけない。ただし、パリ・サンジェルマンとマンチェスター・シティは選手の周辺やローマのフロントにシグナルを送り続けている。これが、再生したと思われるチームにおける1月のキーポイントだ。ズデネク・ゼーマン監督のバランスはとても薄く、ちょっとしたことですべてが崩れ落ちかねない。だが、現時点で彼のチームにほかの選手は必要ないと思われる。