近年、主にプレミアリーグにおいてアメリカやロシアの資本が次々と参入しているが、イタリアサッカーにもグローバル化の波が押し寄せることになった。このほど、ASローマの株式の66パーセントをアメリカの投資家が取得することがほぼ確実となった。

 現地の関係者によると、このクラブ買収劇の主役はハンガリー生まれのユダヤ系アメリカ人であるジョージ・ソロス氏。現在77歳の氏は、一代で莫大な財を成した投機家、投資家で、アメリカにおける立志伝中の人物のひとりだ。

 ソロス氏は、ソロス・ファンド・マネージメントという投資会社を設立し、これまでも数え切れないほどの会社の買収劇を行ってきた。イタリアサッカーに目を付けたのは、これが商売になると見たのか、はたまたプロスポーツ経営の夢を追ったものかは定かではないが、その資産からすれば、ローマ株の66パーセントは微々たるものとも言える。

 まだ正式決定にはいたっていないものの、ローマは負債が莫大でセンシ家(会長)はいずれ売却しないと精算できない状況。売却の可能性はかなり高く、ローマとアメリカ側の弁護士がすでに交渉中とのことだ。早ければ結論は来週にも出るようだが、かりに売却が決定すれば、ソロスのもとでローマがどのように変革していくのか、注目があつまるだろう。