「FBがトランプ勝利に貢献」、相次ぐ批判にCEOが反論

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2016年の米大統領選は、フェイスブック(FB)の責任を指摘するいくつもの指摘と共に幕を閉じた。FBを批判する人たちは、ニュースサイトを偽ったユーザーがニュースフィードで民主党の大統領候補ヒラリー・クリントンに関する誤った情報を提供することを許したことで、同社は間接的にドナルド・トランプの勝利に貢献したと主張している。

当然ながら、FBのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はこうした批判を不当なものだと考えている。11月10日に開催されたテコノミー(Techonomy)のカンファレンスに出席したザッカーバーグは、FBのニュースフィードが大統領選に不当な影響を及ぼしたとの意見について、「ばかげている」と反論した。「有権者はそれぞれの実際の経験に基づいて決断を下している」という。

ザッカーバーグはFB上に同月12日に投稿した文章の中でさらに、「掲載される全てのコンテンツのうち、99%以上は信頼できるものだ。誤ったニュースや作り話はごく一部にすぎない」と主張した。ただ、同社は今後、ユーザーが誤った情報や意図的に人を惑わすようなニュースを報告するためのフラグ機能強化に向け、追加措置を講じる方針だという。

CEOはまた、特に警戒すべき点があるとして、次のように述べた。

「どのようなコンテンツがわれわれのコミュニティーにとって最も意義深いものであるか、私たちに教えてくれる方法を探し出すことができると確信している。だが、私たちは自らが真実であるか否かの裁定者になることがないよう、非常に注意深くならなければいけない」

この点が、極めて重要なところだ。FBは、基本的にメディアの監視機関になるつもりはないとしている。報道機関ではないし、ジャーナリストらによって運営されているわけでもないのだ。

FBの影響力と発言の自由

ただし、FBのサイトの月間利用者数は9月30日時点で、世界全体で約17億6,000万人。米国内だけでも約1億9,200万人に上っている。一方、大統領選への投票者数は約1億2,600万人で、その多くがFBのユーザーだと考えられる。

米国をはじめ各国で活字メディアの購読者数が減少し、テレビの視聴形態も変化する中、FBは報道機関にとっての重要な情報源となっている。例えば、米ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)などは、フェイスブックライブで大量のアクセス数を得ている。リスナーだった人たちが、NPRがFB上に投稿するコンテンツを熱心に視聴するようになっているのだ。

しかし、こうした報道機関もまた、消費者にアピールするための一つの方法としてFBを利用する多種多様な企業の一つにすぎない。筆者をはじめとする執筆者や政治家、各地の自治体も行政機関も同様だ。芸能人も、ますますFBをメディア代わりに利用するようになっており、ファンと直接交流する方法、広報活動のツールとして使っている。

ザッカーバーグが、FB上に誤ったニュースが掲載されている事実があるという点に注意する必要があることは言うまでもない。だが、メディアの世界がFBに対し、同社が自らニュースの信頼性に関する問題を解決することや、誤ったニュースを広め得るテクノロジーの力から自らを防御するための行動に出るよう期待することはできない。

それを期待することはちょうど、ギャップが入居しているショッピングモールに対し、ギャップに中国製の商品の取り扱いをやめさせるよう要求するようなものだ。あなたが外国産の商品の販売に反対しようがどうだろうが、ショッピングモール側が気に掛けるのは、ギャップが賃料を払っているかどうかという点だけだ。

もちろん、誤ったニュースは伝えられるべきではない。だが、報道機関が好むと好まざるとに関わらず、自分の意見を主張する権利は誰にでもある。