脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「お笑い トランプさんの予測不可能性と、AI開発の最前線」を公開した。動画では、ドナルド・トランプ氏の予測不可能な言動を独自の視点で分析し、その根底にある戦略的意図から、AI開発の最前線である「フィジカルAI」との意外な共通点までをユーモアを交えて語っている。

茂木氏はまず、トランプ氏の行動について「予測不能だなっていうのはもうみんな慣れちゃった」と前置きし、その振る舞いがアメリカ大統領に求められる規範から大きく逸脱していると指摘。イランとの紛争や関税問題において、主張が二転三転する様子を「コロコロ猫の目のように変わる」と表現した。一方で、この予測不可能性が相手国に対する「脅威」となり、戦略としては有効に機能している側面もあると分析している。

さらに、自身の暗号資産事業による利益相反の懸念や、SNSサービス「トゥルース・ソーシャル」を通じたインサイダー取引まがいの情報提供など、通常であれば大問題となる行動も「トランプさんの場合、もうしょうがないな」と許容されてしまう特異な現状に言及。また、憲法で禁止されている「2028年大統領選挙への出馬」を匂わせるなど、無軌道とも言える振る舞いを列挙した。

しかし茂木氏は、そんな無敵に見えるトランプ氏でも「物理法則には勝てない」と語る。グリーンランドの買収やベネズエラの併合など荒唐無稽な主張をしても、現実の物理的な制約によって実現は不可能であると指摘。これを、サイバー空間では何でもシミュレーションできるが、現実世界に物理的な影響をもたらすには大きな壁がある「フィジカルAI」の課題と重ね合わせた。

動画の終盤で茂木氏は、トランプ氏の現状を「フィジカルAIと同じ問題に直面している」と定義し、「AI研究の最前線じゃないか」と結論付けた。政治の混迷をコメディタッチで切り取りつつ、AI技術の現在地をメタ的に考察するという、脳科学者ならではの鋭い提言で動画を締めくくっている。

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