政策金利がついに1%まで引き上げられ、超低金利を前提に成り立ってきた日本経済の景色が音を立てて変わり始めた。実業家のマイキー佐野氏は、この変化がもはや一部の投資家だけの話ではなく、預金や住宅ローンを抱えるあらゆる家計、そして中小企業の経営にまで直結する局面に入ったと語っている。
 
日本の中央銀行は、物価上昇が制御しきれなくなる前に先手を打って抑え込む狙いから、政策金利の引き上げに踏み切った。総裁が体調不良で不在のまま議論が交わされるという異例の展開を経て、賛成多数で引き上げの方針が決まったという。同時に、国債の買い入れ規模を当面維持する方針や、金融環境はなお緩やかだとするメッセージも示され、引き締めと下支えを組み合わせた慎重な対応が取られた形だ。
 
金利上昇の恩恵を最も受けるのは、預金残高の大きい高齢世代だと佐野氏は指摘する。試算では、預金者全体で年間1兆円を優に超える追加の利息収入が見込まれ、その多くが貯蓄を多く抱える世代に流れ込むという。なかでも70歳以上の世帯では、年間で数万円規模の追加利息が見込まれるという。一方で、住宅ローンを変動金利で組む層には、返済負担の増加という重荷がのしかかってきた。さらに銀行業界にも影を落とし、保有する国債の価値目減りによる含み損が過去最大規模に膨らむ一方、貸出金利の引き上げに伴って中小企業の信用リスクも高まっているという二面性を抱えている。
 
記録的な水準まで進んだ円安は、輸入コストの上昇という形で中小企業を直撃し、円安を要因とする倒産件数は前年から3割以上増加した。佐野氏はさらに、企業が為替リスクを避けるために用意してきた仕組みが、一定の水準を超えると効力を失う可能性があると指摘する。ヘッジを失った企業が慌てて外貨を調達する動きが連鎖すれば、円安と倒産の増加がさらに勢いを増しかねないと警鐘を鳴らした。
 
金利と為替が絡み合いながら進む今回の局面が、この先どこまで広がっていくのか、佐野氏の分析にはその輪郭がすでに示されている。住宅ローンを抱える人や中小企業の経営に関わる人にとって、今の変化が何を意味するのかを考えさせられる内容だ。

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現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営