近年、すっかり定着した「推し」という言葉。「推し」ができれば、つらいこと続きだった人生に彩りが生まれる。そこから世界は思わぬ勢いで広がっていき、いつもの景色からいろんなことが発見できる。『推してみて』(幻冬舎刊)はそんな「推し」ができたことによって毎日が変わる様子を描いたエッセイである。著者のナカムラエムさんは勤務していた会社で室長による陰湿なハラスメントに悩まされていた。相談窓口に訴えても、部長