侍ジャパン台湾代表の第2試合は、4対2侍ジャパンが勝利した。
 0対1で迎えた2回、侍ジャパン秋山翔吾のタイムリーヒットで同点に追いつくと、梶谷隆幸のタイムリー2ベースヒットで逆転に成功。この回、5連打4点を奪った。

 国際試合の楽しみの1つが、応援風景の観察だ。まさに、所変われば応援の仕方も変わる。
 わが国では、攻撃中鳴り物応援で選手を鼓舞しているが、台湾は同じ鳴り物応援でも、攻守に関わらず、選手を応援していた
 国際大会だからかもしれないが、日本のプロ野球ファンには新鮮だ。

 韓国の応援も、攻守の関係がなかったWBC(World Baseball Classic)東京ラウンドでは、韓国側のスタンドは試合中、鳴り物応援で賑やかだった。
 わが国の都市対抗野球での応援を彷彿させるが、都市対抗野球ほど規模が大きくなく、統率もとれていなかっただけに、むしろ迫力があった。

 米メジャーリーグでは鳴り物応援は無いが、地域によってスタンドの様子が異なる
 ボストンの応援は、過激なことで有名だ。序盤はビール片手にヒマワリの種を齧ったり、試合が動かなくなると、ウェーブビーチボール回しを始めるのだが、いざボストン・レッドソックスがチャンスになると一転。さっきまでののんびりとした風景はどこへやら、みな、人が変わったかのように声を張り上げる。
 逆に、相手チームには容赦のないヤジが飛ぶ。特に中継投手が大変で、レッドソックスの本拠地、フェンウェイ・パークでは、ブルペンが外野スタンドの目の前にある。このため中継投手はヤジの集中砲火を浴びることになる。
 「野球は生きるか死ぬかという大げさな問題ではないが、レッドソックスファンの場合はまさにそうなっている」とは地元紙のボストン・グローブのスポーツコラムニストの言だが、まさのその通りだ。

 ボストンと対照的なのは、シカゴ・カブスのファンだ。カブスは既知のとおり、1908年を最後にワールド・チャンピオンの座から遠のいている。そのせいか、カブスのファンは試合の勝敗やシーズンの結果よりも、目の前の一球一球に一喜一憂する
 中でもリグレー・フィールドの外野席上部では、ブリーチャー・バムと呼ばれる、カブスの中では上級のファンが陣取っている。男性なら上半身裸、女性はビキニ姿で、手にはビールなどのアルコール。どんなにカブスが敗色濃厚でも試合を楽しむことを忘れない、リグレー・フィールドの名物だ。

 これまでにミネソタクリーブランド、カナダのトロントを訪れたが、こちらのファンは、ボストンに比べ大人しかった。
 地元のチームが勝てば盛り上がるが、負けてもブーイングは無し。野球そのものを楽しんでいるようだった。

 わが国では、「鳴り物応援が無いメジャーでは、ファンは野球に集中している」と言われがちだが、あながちそうではない。地域によって、応援の仕方も、気質も違うのだ。