【吉沢康一コラム】復権を狙う浦和レッズ、そのスタイル構築の現状とは
浦和の未来を託された才能ある2人の怪我による離脱は、ペトロヴィッチ監督の頭を悩ますことになるだろう。だが、山田に代わって起用された高校を卒業したばかりの矢島慎也が、ポテンシャルの高さを垣間見せてくれた。山田直輝と全く同じ経歴(出身サッカー少年団も同じ)を持つ、レッズ下部組織のスーパースターが、早くも埼玉スタジアムでデビューを飾った。
背筋、首筋が凛としたセンス溢れるボランチの小島。そして積極果敢にゴールに向かう矢島と、2人の10代の登場。彼らこそ新時代の浦和のシンボルになる可能性を持っている。
さてリーグ戦3節はJ2コンサドーレ札幌戦の対戦となるが、ペトロヴィッチ監督の采配には注目したい。勝った2試合は、固く守って少ないチャンスを活かすという試合だった。結果と内容の両方を求めるクラブの方針からすれば、これまでの試合内容は及第点を与えることはできない。札幌戦はアウェイであるが、攻め勝つことをサポーターも期待しているはずだ。
勝ち星が先行すれば、これも「チームの土台作り」と我慢できるが、負けが込んだとき、クラブはどんな判断を下すのか注意深く見守っていくことにする。
[Photo by Kim Kyung Hoon / Reuters]
90年代、浦和のサポーター集団「クレイジー・コールズ」リーダーとして活動。サッカーライター転身後は雑誌、TV、ラジオなど様々なメディアで活躍中。