キャンカフェ池袋店は、早くも営業再開を明らかに

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   東京・池袋の出会い喫茶を警視庁が「デートクラブ」だとして摘発した。交通費名目でデート代を渡させ、女子高生まで斡旋していたという疑いだ。摘発の狙いは売春防止にあるようだが、法の盲点も浮かび上がってきた。

女子高生のコーナーでパンチラ

「今は、店内を改装しています。営業再開ですか?そうですね、近日中に」

警視庁に摘発された出会い喫茶「キャンカフェ」池袋店の男性スタッフは2008年5月29日、J-CASTニュースの取材に対し、こう平然と答えた。

   新聞各紙によると、摘発容疑は、都デートクラブ規制条例違反。同店では、店外デートが成立した場合、「交通費」と称して3000〜1万円ほどを男性が女性に支払うことになっていた。この行為について、警視庁は、交通費名目の対価を伴う交際を仲介する「デートクラブ」に当たると判断した。そして、同店は、私立高校から半径200メートル以内にあり、18歳未満の高校生らを客にしていたとして、28日、家宅捜索に踏み切った。その際、店長(24)らスタッフ9人を逮捕するとともに、店内にいた少女31人を補導した。

   警視庁の狙いは、「売春の温床」ともされる出会い喫茶で、特に児童買春を防ぐことにあるとみられている。実際、キャンカフェ池袋店で知り合った女子高生にわいせつな行為をしたとして、JAグループ団体職員(43)が児童買春などの疑いで逮捕されている。同店では、16歳以上ならOKとし、女子高生らをマジックミラー越しに選べるコーナー「イベントフロア」を売り物にしていた。そこは、パンチラも見られる構造になっていた。

   システムは、男性は5000円で入会し、入店料は1時間1000円。デートに誘うためのトークルームは10分1000円、成立すれば店に3000円支払うことになっていた。女性は、入店無料で、「まんが喫茶」と称して集客し、店内では、自由にケーキを食べるなどできた。08年4月18日にオープンしたばかりだが、すでに男女4300人の会員がおり、約5000万円の売り上げを上げていたという。

   池袋店のスタッフは、再開時期を明確にしなかった。しかし、ホームページでは、改装後、5月31日から通常営業すると客にPRしている。

出会い喫茶側はデートクラブ否定

   「交通費」のある出会い喫茶は、ほかにもあった。ある都内の店は、ホームページで、女性は18歳以上としているものの、交通費を「心づけ」と称していた。が、店長に聞くと、「(交通費は)特にありません」と否定。「店に来てくれれば説明する」と言って、電話を切った。

   出会い喫茶は、法の盲点になっていることが次第に浮かび上がっている。デートクラブを規制する条例があるのは、全国では東京都だけ。しかも、最近増えてきた出会い喫茶を対象にしたものではない。風営法でも規制対象外だ。

   これに対し、神奈川県の松沢成文知事は5月27日、出会い喫茶を通じた児童買春例があることから、県青少年保護育成条例を改正して規制する意向を示した。18歳未満の入店を禁止したい考えといい、知事の諮問機関「県児童福祉審議会」の社会環境部会が28日、その検討を始めた。

   出会い喫茶は、同県青少年課がネット上で調べたところ、横浜・川崎両市内にキャンカフェを含めて7店があった。青少年保護育成条例はまんが喫茶を規制していることから、同課は07年末、キャンカフェ横浜店に対し、定期的な立ち入り調査を行った。その結果、18歳未満の午後11時から午前4時までの入店を禁じている条例への違反は確認できなかった。しかし、そのことを呼びかける看板が立っていなかったため、立てるように指導したという。

   キャンカフェ横浜店の店長は、こうした問題で、J-CASTニュースの取材に応じた。まず、池袋店の行為に対しては、デートクラブ規制条例には触れないと反論した。「私たちは、デートクラブには当たらないと思っています。交通費は、男性のお客さまに支払いを任せており、強制ではありません」

   また、児童買春については、「一切そういうことはお断りしています。禁止したうえで利用していただいており、店内ではそれが徹底されています。ですから、18歳未満のコーナーも問題ないと考えています」

   ただ、店外デートで起きた売春例については、「私どもで、すべては掌握できません。そのお客さまのモラルの問題になると思います」と話している。

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