「なんで人殺してんだよ」と怒られたあとパチンコ「良い台あるなと思ったから」“主犯格”の裁判 江別
北海道江別市で2024年10月、男子大学生が男女6人から集団暴行をうけ死亡した事件で、強盗致死などの罪で起訴された川口侑斗被告と当時17歳の少年の裁判が続いており、7月31日は川口被告の審理が行われました。
強盗致死などの罪に問われているのは、主犯格とされる川口侑斗被告と当時17歳の少年です。
2人はおととし10月、江別市の公園で大学生の長谷知哉さんと交際していた八木原亜麻被告や川村葉音被告らと共謀し、長谷さんに暴行を加えて死亡させたうえ、現金やカードを奪うなどしたとされています。
【弁護側からの質問】「実は江別の暴行事件に関わってるんだよね」
Q.被害者が亡くなったあとのグループLINEのやりとりで「お疲れ様です、今日は楽しく終われたと思う」というメッセージ送っているが、どういう気持ちで送った?
A.(長谷さんと合流する前に)ドライブに行って、ドライブが楽しかったっていうのもあった。まさか被害者が亡くなると思ってなかったので送りました。
Q.八木原被告に対し「ヤキ入れる、殺す」といったメッセージについては?
A.八木原被告は暴力も振るっていないし、川村被告から八木原被告が出頭すると聞いていて、共犯者が悪いと言うと思ったのでムカついてそういう発言をしました。
Q.事件後に美容室やパチンコ店に行ってたと話していたが、どうして?
A.被害者さんが亡くなったのは知っていたが、逮捕されて証拠を見るまで自分たちの暴行で死なせてしまったと思っていなかったので、美容室やパチンコ店に行ってしまったんだと思います
Q.ニュースを見てからは?
A.「これはやばいな」っていう不安もあったので友達に相談して「実は江別の暴行事件に関わってるんだよね」って言った。(先輩に相談するために)先輩が働くパチンコ店にいきました。そこで先輩に怒られました。
Q.美容室やパチンコ店で使ったお金はだれのもの?
A.被害者さんのATMから下ろしたお金でした。
Q.奪った9万円はどう使った?
A.(共犯者の)滝沢くんと少年Bと自分で、食事やカラオケ店に行ったりしてお金を使いました。
Q.逮捕されたとき、9万円のうちどれくらいお金を使っていた?
A.7万円くらいは使っていたと思います。
Q.裁判で改めて川口被告が暴行している動画を見たと思うが、改めてどう感じた?
A.どうしてここまで暴力がふるえるのかというのと、被害者さんが謝っているのにどうして許さなかったんだろう、どうしてお金を要求してしまったんだろうと考えていました。
Q.どうやったら事件を防げたと思う?
A.今回の事件は全て自分から始まり、暴力も自分から始まり、金品の要求も自分から始まり、そういう流れになってしまったのは事実なのと、自分が暴力をしたり、金品を要求したり、服を脱がせる要求をしなければ今回のような事件にはならなかったと思います。
Q.遺族の供述調書の読み上げあったが、被害者や遺族に対して今後どう償う?
A.今後どのような判決が下されるか分からないですけど、刑務所でもできることはあるので反省の気持ちを一生忘れず遺族の気持ちを忘れず、謝罪文を書いたり事件のことを忘れないのが一番大事だと思うし、いつか遺族が受け取ってもらえるまで書き続けるのが今できる償いだと思います。
Q.遺族は供述調書の中で死刑を望んでいたが、どう思う?
A.遺族の気持ちを考えると自分は死刑だと思うし、その遺族の気持ちは自分でもよく分かってます。
【検察側からの質問】「時には暴力が必要じゃないかなと思ってた」
Q.被害者から奪ったお金の使い道について改めて詳しく聞きたい。少年Bと行った美容室ではどれくらい使った?
A.約3万円くらい使ってます。
Q.他になにに使った?
A.27日か28日の夕方くらいに少年Bと滝沢くんと居酒屋とカラオケ店に行って使いました。ほかには母と行ったハンバーグ店です。親の分も全部払いました。
Q.今回奪ったお金で贅沢した、無駄遣いした?
A.パチンコはよく行ってたしタクシーもよく使ってた。ご飯行くのはあんまりなかったので、被害者さんのお金だという甘い気持ちで行くことはありました。
Q.被害者から奪ったお金を使うことにためらいなかった?
A.当時は自分たちの暴行で亡くなったと思ってなかったので。
Q.「友達には暴力を振るわない」と言っていたが、あなたが暴力を振るう相手はどうやって決まるんですか?
A.(約15秒沈黙)お金を貸して期日までに返してくれないとか、女関係だらしないとか、喧嘩うってきたとか、生意気とか。先輩たちもよくヤキ入れてたのを見てきて、それが染み込んでいたってのもあると思うし、時には暴力が必要じゃないかなと思ってた感じですね。
Q.家庭裁判所の人や警察官からよく注意されていたと言ってたが、人から言われた注意を気にしなければならなかったのでは?
A.少しは頭に入れてたとは思いますが、咄嗟にムカついたりしたら自分ではどうしても抑えられない自分がいたって感じでした。
Q.川口被告が事件に関わってることを知って、母は泣き、父は膝をつき、兄は怒っていたと言ってたが、その状況を見てどう思っていた?
A.本当に(鼻をすする)とんでもないことをしてしまったというのと、親を悲しませてしまった、家族を裏切ってしまったと思ったし、この先家族に会えないんじゃないかっていうのもあったし、でも出頭したら素直に全部話そうという気持ちでした。
Q.これまでも家族に迷惑をかけてきた、今回の事件でまた家族に迷惑をかけてしまうと頭をよぎらなかったのか?
A.人が死ななければいいや、くらいで暴力もふるってたので、よぎるとかはなかったと思います。
Q.川村被告らの裁判のとき、「自分の裁判で話す」と言って話さなかったことについてどう思ってる?
A.被害者さんの命を奪ったのにもかかわらず、証言台を拒否してその場でも謝罪をしなかったのは本当に申し訳ございませんでした。
【裁判所からの質問】「自分やってねぇ。誰かがトドメさしたんだ」
Q.1対1のときの暴力と、集団でやる暴力で気持ちの変化はある?
A.1対1の時は「血が出たらやめにしよう」「倒れたらこっちの勝ち」とか区別があるけど、集団でやると正しい自分がなくなるというか、もうひとりの自分が自分の中にいた感じでした。
Q.事件後に美容室に行ったのは出頭前に頭を丸めるため?
A.そうではないです。少年が髪を染めたいと言っていたから。自分もついでにやりました。
Q.パチンコは打ってた?
A.はい。
Q.パチンコ店で働く先輩に怒られたと話していたが、打ちながら話していた?
A.先輩に呼び出されて胸ぐらつかまれて「なんで人殺してんだよ」と怒られた。その後友人宅で詳しく話そうとなり、先輩が勤務を終わるのを待ってる間に、良い台あるな、座ろうとなった。
Q.先輩を待つ時間でパチンコしてたということ?怒られた後にどうしてパチンコ打とうと思う?重大さを分かっていなかった?
A.自分が殺したわけじゃないと思ってた。先輩にも「自分やってねぇ。誰かがトドメさしたんだ」と伝えていました。
Q.改めてどうして被害者に暴力を?
A.空港で被害者さんと電話していて、ウソをつかれていると思ってむかついた。現場に行って、聞いていた年齢と違うべや、ボクシングやってねぇべやと咄嗟にムカついて暴力をふるってしまいました。
Q.集団で暴行をふるう時の「もうひとりの自分」とは?
A.悪いことを始めてしまったら抑えられない、止められない自分がいるって感じっすかね。
Q.事件の中でいつだったら止めてもいいと思ってた?
A.被害者さんが土下座して謝罪して、出血していて、申し訳ございませんでしたと言った時にはもういいんじゃないかって思ってたんですけど、血を付けられたってなってまたスイッチが入ったって感じですね。最初立って謝罪されたのが気に食わなかったのもあったので。
Q.なんで立って謝罪でイラつくの?
A.先輩から迷惑かけたら土下座するのが普通と言われたから。
Q.これまでの裁判であなた土下座しました?
A.してないです。
Q.川口被告のいう普通や常識で言えば、本気で謝るときは土下座するのでは?今回は本気じゃないってこと?
A.ちがいます。
Q.被害者が立ったまま謝罪して、何が悪いんですか?
A.自分より被害者さんの方が身長も高かったし、上から目線で謝られたのが気に入らなかったです。
Q.逮捕前と後で一番変わった部分は?
A.悪いことと正しいことの区別をつけることが分かったっていうことですかね。
Q.なぜ区別が分かるようになった?
A.証拠を見せられる中で自分のやってることの重大さを分かるようになったっていうのと、これまでは人に暴力振るうのがダメだと分かっていたけど、ちょっとだったらいいやと思っていたので、ちょっとでもダメだと思うようになりました。
Q.暴行の動画を撮影しているが何のため?
A.滝沢くんのライダーキックはいきなり始まって、みんな笑ってた。自分はその瞬間をみてなかった。笑うほど面白かったんだなと思い、何度も見返すために撮影しました。
裁判の最後に、裁判長は川口被告に対して「川口被告からは、すぐに誰かのせいという話が出てくる。その点をもう少し考えないと自分の責任と向き合えないと思いますよ。あなたのやったことって本当にとんでもない、取り返しのつかないことなんですよ。これからもよく考えて下さい」と言い、審理は終了しました。
川口侑斗被告と少年の裁判は分離して情状面についての審理が進められていて、少年に対し検察は懲役30年を求刑しています。
裁判は8月3日に結審し、判決は8月7日に言い渡される予定です。
※STVでは今回の裁判の「特定少年」について、事件の重大さや社会的影響などを総合的に判断し、実名で報道しています。

