(CNN)世界の大半の国々と比べても、日本ほど甚大な被害をもたらす地震にたびたび見舞われる国はほとんどない。島国の日本は四つのプレートの境界上に位置する。地球の表面を覆うこれらのプレートは絶えず動き続けている。

日本はまた、太平洋を取り囲む全長約4万キロの弧状地帯「環太平洋火山帯(リング・オブ・ファイア)」にも位置している。ここには世界で最も活発な火山が集中し、最も多く地震が発生する地域とされる。

28日には熊本県でマグニチュード(M)6.8の致命的な地震が発生。捜索・救助・支援活動のため数千人の緊急対応要員が動員されるなど、その影響が改めて浮き彫りとなった。

しかし、日本はこうした災害への備えが十分に整っている。これまで最先端の地震検知技術や避難システム、耐震インフラに巨額の投資を行ってきたからだ。

住民にとって地震は日常生活の一部であり、子どもたちは幼稚園の頃から地震や避難の訓練を始める。それでも人々の意識の中で、地震の脅威は拡大している。とりわけ政府は、日本でいずれ「100年に一度」ともいわれる巨大海溝型地震(メガスラスト地震)が発生する可能性があると繰り返し警告している。

熊本県は2016年に発生したより大きな地震からようやく復興したばかりだった。この地震では広範囲に被害が及び、270人以上が死亡した。

災害の長い歴史

日本では歴史上、壊滅的な規模の地震が繰り返し起きている。

古代から中世・近世にかけて、地震はたびたび日本の都市や町を襲った。地震後は火災が発生し、木造の建物を次々と破壊した。1498年の明応地震は特に甚大で、推計に差はあるものの3万人以上が死亡したと考えられている。

1923年の関東大震災もまた壊滅的な災害だった。首都・東京の広範囲を壊滅させ、およそ10万5000人が命を落とした。

日本は80年代からより厳格な建築基準を導入し、その有効性は95年の阪神・淡路大震災で実証された。この地震では6000人以上が死亡したが、倒壊した建物のほぼすべてが新基準以前に建てられたものだった。これを契機に、日本は耐震性の向上、緊急対応システムの整備、そして古い建物を新基準に適合させる耐震改修を大規模に進めた。

2011年の東日本大震災は、現在を生きる人々の記憶の中で最悪の災害だ。M9.1の地震と津波が福島第一原子力発電所の事故を引き起こし、およそ2万人が死亡した。さらに数千人が現在も行方不明のままだ。この地震は、今世紀で最も強力な地震の一つとして記録されている。

ここまで大きくはない地震でも、多くの命が失われることはある。24年には能登半島で発生したM7.1の地震により、700人以上が死亡した。

チリ、インドネシア、ソロモン諸島、そして米西海岸なども含む前出の環太平洋火山帯は、海底にある太平洋プレートが周囲の大陸プレートと接している。これらのプレートが互いに動いて摩擦を生じることでエネルギーが蓄積され、それが地震として放出される。

神戸大学の吉岡祥一教授は24年にCNNの取材に答え、世界で発生するM6以上の地震の約10%が日本またはその周辺で起きていると指摘。そのため、地震が珍しい欧州や米国東部と比べて、リスクははるかに高いと述べていた。

日本への旅行は安全か

日本は、地震が多い他の国々の中でも、地震への備えと耐震性において世界をリードする国として広く知られている。

建物には耐震技術の導入が義務付けられている。耐震技術とは振動や揺れを吸収できる壁や床、あるいは地震の際に建物が揺れに合わせて動いても倒壊しない柔軟な構造などを指す。観光客向けの政府サイトの一つでは、「ほとんどの建物は地震に対してかなりの耐性がある」と案内している。

それでも、旅行者の間では地震の脅威に不安を感じる人が少なくない。

昨年の夏には、地震に関する一連の「予言」が広まり、東アジア各地の迷信深い旅行者たちが日本への旅行をキャンセルしたり延期したりした。これらの「予言」には、大災害を警告した日本の漫画や、甚大な破壊を予測した霊能者、人々に日本へ近づかないよう勧めた風水師などが含まれていた。

日本政府自体もこうした不安に拍車をかける形で、南海トラフ巨大地震という大規模地震が近い将来発生する可能性があると警告してきた。

南海トラフは全長700キロメートルに及ぶ沈み込み帯で、これはプレート同士が一方の下へ潜り込む場所を指す。政府の地震調査委員会によると、この地域では100年から200年ごとに大規模な地震が記録されている。

過去の大地震の発生間隔をもとに計算した結果、日本政府は今後30年以内に南海トラフ地震が発生する確率を70〜80%と予測。その規模はM8〜9程度になるとしている。

しかし、この科学的見解には異論も出ている。地震は予測可能な周期で発生するものではないとして、こうした予測に反論する専門家がいるほか、当該の予測をある程度支持はするものの、ここまで長期的で精度の低い予測を行うことが必ずしも有益とは限らないと指摘する人々もいる。

CNNの取材に応じた複数の専門家によると、現在日本が最も取り組むべきなのは備えを進めることだ。具体的には、準備が十分でない地域の課題を改善し、緊急時の対応について国民の意識を高めることだという。