米首都ワシントンの大気汚染に最大級の警報 独立記念日の花火で

(CNN)米独立記念日の4日から翌日5日にかけて首都ワシントンで開催された大規模な花火大会の後、同市内の大気汚染が一時、世界の主要都市で最下位のレベルに達したことが分かった。大気汚染の都市別ランキングをまとめているスイス企業、IQエアが発表した。
市当局は大気汚染に対する最大級の「赤色警報」を発令。高齢者や子ども、基礎疾患のある人々の健康状態に悪影響を及ぼし、一般市民も不調を感じる恐れがあるとして、屋外での活動を制限するよう呼びかけた。
ワシントンは米東部時間5日午後5時30分の時点で、IQエアによるランキングの26位に転落した。
花火大会は、トランプ米大統領の意向を受けて建国250年祝賀行事の運営を担ってきたNPO「フリーダム250」が主催。ワシントンなど米北東部全体が極度の熱波に見舞われるなか40分間にわたって開かれ、85万発の花火が打ち上げられた。同市内は4日、最高気温が38度を超える暑さとなっていた。猛暑の影響で雷雨も発生し、会場となった市中心部の緑地帯ナショナルモールで開会前に来場者が一時退避する場面もあった。
隣接するメリーランド州モンゴメリー郡の保健当局責任者は4日、花火大会を前にしたCNNとのインタビューで、「きょうの大気質はたばこを吸いながらマラソンをするようなもの」と語り、大量の花火で状況がさらに悪化する可能性を指摘していた。
ただし、5日夜に予想される雷雨で汚染物質が洗い流されるかもしれないと述べ、「化学物質や汚染物質が水循環システムに流れ込むものの、大気からは排除される」と説明した。
花火はリンカーン記念堂の反射池からポトマック川の台船、西ポトマック公園にかけての計10カ所から打ち上げられ、2016年にフィリピンの年越しで打ち上げられた81万904発を超える世界最多のギネス記録を狙っていた。独立記念日で例年、全米最大規模とされてきた老舗デパートのメイシーズによるニューヨークの花火大会よりはるかに大きく、10倍以上の規模となった。
実際にギネス記録と認定されたかどうかについて、今のところ発表はない。CNNはギネス本部に問い合わせたが、返答は得られていない。
米紙ワシントン・ポストが入手した国立公園局内の文書は、花火大会でワシントン中心部が「健康に大変悪い」環境になると予想。市民に対して、汚染にさらされないよう注意し、屋外で花火を見る時は微粒子用のN95マスクを着用するよう促していた。
CNNは国立公園局に文書について尋ねたが、同局からのコメントはなかった。
建国250周年行事の警備を統括する「国家特別警備イベント合同情報センター」によると、ワシントンの消防救急当局は4日午前0時から5日正午までの間に救急患者96人に対応し、40人を救急搬送した。このうち暑さや大気汚染に関連する患者が何人いたかは明らかでない。
同センターによれば、ジョージ・ワシントン大学からは4日午後10時までに救急対応289件、保健福祉省からは救急対応314件との報告があった。
トランプ氏は花火の打ち上げに先立ち、深夜に40分間にわたって演説した。その後、SNSに「これまで見た花火大会の中で一番の壮観だった。最後まで見せてもらった。素晴らしい成果だ、おめでとう」と書き込んだ。
