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 ◇W杯北中米大会決勝トーナメント1回戦 ベルギー 3―2 セネガル(2026年7月1日 シアトル競技場)

 決勝トーナメント1回戦は1日(日本時間2日)、3試合が行われ、G組1位のベルギーはI組3位のセネガルを延長の末に3―2で下し、2回戦に進んだ。延長後半にMFティーレマンス(29)がPKを決め、劇的な逆転勝利を飾った。L組1位のイングランドはK組3位のコンゴに2―1で逆転勝ちし、3大会連続の16強入り。D組1位の米国は、B組3位のボスニア・ヘルツェゴビナに2―0で快勝した。

 後半40分を過ぎて0―2。スタジアムには既に勝敗は決したかのようなムードが漂った。ただ、それをはね返すだけの実績とメンタリティーがベルギーにはある。立役者となったのは後半から途中出場のFWルカクだ。後半41分、クロスに対し相手DFの裏を突いて内側に入る巧みな駆け引きをし、ゴールネットを揺らした。

 ガラッと流れが変わる音が聞こえた。2点目の起点もルカク。後半44分、右サイドでボールを収めるとドリブルで相手DFを2枚はがして左に展開。最後はMFティーレマンスが頭で合わせ同点に。延長後半終了間際にはティーレマンスが自ら獲得したPKを決め、歓喜をもたらした。「ポジティブな意味でクレージーだ」。ティーレマンスは心地よい疲労感に浸った。

 ベルギーの底力を誰よりも実感した経験があるのが日本だ。0―2からの逆転劇に「デジャビュはないか」とメディアから度々、選手に質問が飛んだ。18年ロシア大会の決勝トーナメント1回戦の日本戦。後半に2点先行されながら、追いつき、追加タイムにカウンターで決勝点を奪った。日本では「ロストフの悲劇」といわれるが、ベルギーでは土壇場の「歓喜」。18年大会を知るGKクルトワは「日本戦の時はまだ延長戦になっていなかった。今日はハラハラした試合だった」と苦笑いを浮かべた。

 ロシア大会で3位と躍進したルカクやMFデブルイネら「黄金世代」も30代半ば。世代交代も叫ばれる中で今チームもやはり彼らが中心となっている。1次リーグから苦戦が続くも、ここぞの勝負強さは健在だ。ルカクは「こういう試合が必要なんだ。グループをさらに一つにまとめるためには、こういう勝利が必要なんだよ」と声を弾ませた。

 ▽ロストフの悲劇 W杯ロシア大会の決勝トーナメント1回戦(18年7月2日)で西野監督率いる日本代表は当時FIFAランク3位のベルギーと対戦し、2―3で逆転負けした。試合は後半3分に原口のゴールで先制。同7分には乾が追加点を挙げ、2―0とリードを広げた。だが同24、28分と立て続けの失点で同点に追いつかれると試合終了間際の追加タイムに日本のCKからカウンターを受け、14秒で決勝点を奪われた。会場となったロシア南西部の都市名からロストフの悲劇と呼ばれる。