本を読む人が少なくなった(C)日刊ゲンダイ

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 街中の本屋が次々と姿を消している。日本出版インフラセンターによると2025年度末時点の書店数はついに1万店を割り9993店に減少。前年の1万417店から424店舗が店じまいし、ピーク時の1998年度(2万4237店)の4割まで落ち込んだ。

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 本屋の消滅はインターネットの普及によるネット書店の台頭、電子書籍の広まりに加え本を読まない活字離れが背景にある。中央大学文学部・山田昌弘教授がこう述べる。

「うちも教科書や指定された本以外は読まない学生が増えました。電車内でも本や新聞を読む人はほとんど見かけません。インターネットが定着し、活字離れで若い人は無料でエンタメやユーチューブで動画が見られ楽しめる。本を読む人はますます減っていくでしょうね」

 文化庁が24年度に行った「国語に関する世論調査」では、1カ月に1冊も本を読まない人の割合は62.6%、読書が減っていると答えた人は69.1%に上る。さらに、出版文化産業振興財団は、24年11月末時点で全国の約3割の493自治体が「無書店自治体」と発表している。

 書店は苦しい経営環境が続いている一方、意外なことに書店の倒産件数は縮小している。帝国データバンクの「書店の倒産動向」(25年1〜5月)では、書店の倒産は1件と、前年同期の11件を大きく下回り年間でも8件と過去最少ペースだ。同社情報統括部の担当者が言う。

「24年度の本屋の業績は34.4%が赤字で減益を含めた業績悪化企業は58.3%と6割に迫っています。書店経営は引き続き厳しい状況が続いていますが、書店に新たなビジネスモデルを目指す動きが出てきています」

 そしてこう続ける。

「文具や雑貨コーナーを拡大したり、大手雑貨店との共同出店やカフェの併設、学習塾との共同サービスといった、本の販売店から交流拠点、休憩施設として長時間顧客が過ごせる、付加価値を付けた『滞在型』の売り場を目指す本屋が増えてきています」

 書店はすでに単なる本の販売から新たな価値を付けたニュービジネスへ転換しつつある。本との出合いを創り、育む知の地域づくりを目指すNPO法人「本の学校」(理事長・柴野京子上智大学文学部教授)が開催する書店開業講座の受講者は急増中、書店を開業したい人は多いのだ。

 政府は25年6月に「書店活性化プラン」を発表、書店振興を支援する取り組みを開始している。

 書店の存在は、店舗で目当ての本を探す楽しみや、知らない本との出合いが魅力、そして地域の人が集まる文化拠点でもある。書店の復活に国や出版社のさらなる支援が求められる。

(木野活明/ジャーナリスト)