写真に収まった数々の物体。大阪大のチームが開発した手法を用いると、被写体との距離が算出できる(中村准教授提供)

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 写真撮影の際に画像がピンぼけする仕組みを利用し、1枚の画像からカメラと被写体との距離を高精度で算出できる新手法を開発したと、大阪大の研究チームが発表した。

 AI(人工知能)技術も組み合わせ、カメラ1台で周囲の物体との距離が簡便に把握できる。産業用ロボットなどへの応用が期待され、論文が国際科学誌に掲載された。

 物体との距離を計測する技術は、ロボットや自動車などで使われている。別の角度から撮影した2枚の画像を用いたり、レーザー光を照射して測定したりする方法が一般的だが、低コスト化や小型化が求められていた。

 チームは、被写体との距離に応じて画像のぼけ方に差が出ることを利用。レンズの絞り部分に特殊なフィルターを付け、距離ごとに特徴が異なるぼけ模様を写し出せるようにした。

 このぼけ模様の情報を基に距離を計算しても無数の答えが出てくるが、画像生成AIの技術で正確な距離を特定することに成功した。4メートル以内に置かれた物体を小型カメラで撮影した場合、誤差を約1センチ以内に抑えることができたという。

 チームの中村友哉准教授は「カメラや撮影条件が変わっても安定した精度が出る方法を編み出せた。協力企業と実証実験を進め、社会実装を目指したい」としている。

 千葉大の久保尋之(ひろゆき)准教授(画像情報処理)の話「写したぼけ模様からの計算を基本とし、AIを補助的に組み合わせることで、信頼性の高い距離が得られたのが興味深い。精度が必要な製品検査などの産業分野や医療分野で使える可能性がある」