メ~テレ(名古屋テレビ)

新幹線のお医者さん「ドクターイエロー」。その役割を引き継ぐのが、“二刀流”の「ドクターS」。いったいどんな車両なのでしょうか。製造真っ最中の現場をメ~テレが独占取材しました。

愛知県豊川市の日本車両豊川製作所。

厳しく撮影管理されたこの工場で22日、ドクターイエローの後継車両「ドクターS」をどこよりも早く取材しました。

「ドクターイエロー」とは、東海道新幹線の線路や架線を点検しながら、10日に1回のペースで走る黄色い車体の専用車両。

運行ダイヤは非公開のため、「見ると幸せになる」とも…。

ただ老朽化が進んだこともあり、JR東海の車両は2025年1月に惜しまれながらラストランを迎えました。

そして今年6月、現役を続けていたJR西日本の車両「T5編成」も、2027年1月の引退が発表されました。

ドクターSとはどんな車両?

その役割を引き継ぐのが「ドクターS」です。

いったいどんな車両なのでしょうか。

まず注目したのが――。

「ドクターイエローと言えば『前方監視カメラ』でしたが、ドクターSにはついていません」(記者)

ドクターイエローの先頭車両についていた、線路を確認するためのカメラがありません。

その代わりとなるのが、運転台に取り付けられるカメラ。

沿線の木が倒れていないか、カラスの巣が電柱に作られていないかなどをAI技術で判定します。

ドクターSと普通の新幹線の違いは?

車内はどうなっているのでしょうか?

Q.普通の新幹線とドクターSの違いは?

「普通の新幹線とドクターSの違いは全く分からない」(JR東海 新幹線鉄道事業本部 小田太一さん)

今はまだがらんとした車内。

シートはこのあと、JR東海の浜松工場で取り付けられますが、座席表示が既にありました。

ドクターSはお客さんを運びながら、点検走行もする“二刀流”。

車内は、普通の新幹線と全く一緒だということです。

ドクターSを見分ける特別な“しるし”

ホームからは見えない車両の下は――。

「めっちゃすごい。これが見たかった」(カメラマン)

カメラマンも興奮の黄色い装置。この装置が、レールのゆがみなどを見つけ出します。

青と白の見た目は、普通の新幹線と変わらない「ドクターS」。

特別な“しるし”で見分けることができるんです。

「意外と手作業なんですね。この車両がドクターSであることを表すステッカーが貼りつけられました」(記者)

当初、貼る予定はありませんでしたが、ドクターイエローがなくなることを惜しむ声があり、先頭車両と奇数号車の計20カ所にドクターSと分かる“しるし”をつけました。

ドクターイエローの車体をリサイクル

引退したJR東海のドクターイエロー。

先頭車両は名古屋市港区の「リニア・鉄道館」で展示されていますが、ほかの車両は、一部が解体されました。

そのドクターイエローの再生アルミは、ドクターSの屋根や車体の一部に使用されています。

「窓の下の青い帯のあたりに使われている。ドクターイエローのDNAを引き継ぐ形でドクターSに使っている」(小田さん)

完成間近のドクターS。今年10月からお客さんを運び始め、2027年1月からは点検業務も担います。

「ドクターイエローは10日に1回、東京から博多まで走っているが、ドクターSは営業車ということで、毎日どこかで走っているという状況になります。安全・安定輸送が第一の使命なので、ドクターSを使って毎日保っていきたい」(小田さん)

ドクターSは4編成。残念ながら、予約時点ではドクターSかどうか分からないといいます。

乗れるかどうかは、ホームに新幹線が入ってきたときのお楽しみ。

ドクターSは今後、「乗ると幸せになる」存在として愛されていくのでしょうか?