タクシーに乗っていた男性が犠牲になった(共同通信)

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 今年1月22日、東京・赤坂の特許庁前交差点で発生した、内閣府の公用車による多重事故。公用車が赤信号を無視し、時速約130キロで交差点に進入し、車両6台を巻き込んでタクシーに乗っていた男性が死亡、6名が重軽傷を負うという凄惨な事故だった。キー局社会部記者が解説する。

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「この暴走した公用車の運行業務を受託していた業者は、車両運行管理会社である『大新東株式会社』(以下、大新東)でした。実は同社は、2024年6月にも永田町で財務省の公用車による死亡ひき逃げ事故を起こしていました。

 わずかな期間に繰り返された惨劇に対し、世間からは運行管理体制を問う厳しい声が上がっていました。2月20日には警視庁が、公用車を運転していた男性が勤務する同社の関係先に家宅捜索に入るなど、捜査を進めています」

 そして事故から約3カ月が経過した4月に、警察の捜査と並行して、内閣府が同社に対してある「重い決断」を下していたことが明らかになった。

内閣府が下した「9カ月間の指名停止処分」

 今年4月、内閣府のホームページにひっそりと2つの公告文が掲載された。

 対象となったのは、公用車の運行管理を受託していた「大新東」と、同社を選定した契約主体である「永田町PFI株式会社」の2社である。公告文によると、両社に対して「令和8年4月28日から令和9年1月27日まで」の9カ月に及ぶ「指名停止措置」が下されたという。全国紙社会部記者が解説する。

「指名停止とは、官公庁や地方自治体などの公的機関が発注する事業の入札や随意契約に参加する資格を一定期間停止する、懲罰的な措置です。官公庁の業務を多く請け負う企業にとっては、9カ月間もの長期にわたり入札から締め出されることは、経営上、与えるダメージは少なくない」

公告文には「不正又は不誠実」と記載

「大新東」公告文の処分理由にはこう明記されていた。

《多重事故を発生させ、1名が死亡し、6名が重軽傷を負う重大事故を生じさせたことは、「不正又は不誠実な行為」に該当し、契約相手方として不適当であると認められるため》

 また同様の理由で、公用車の運行管理を業務の一部とする永田町PFI株式会社にも、「官用車運行管理業務において、選定企業である大新東株式会社が重大事故を生じさせたこと」を理由に、9カ月に及ぶ指名停止措置が下されていた。

大新東が明かした対策とは

 2024年の事故後、「大新東」は「全社一丸となって再発防止に努め、一層の安全運行に取り組んで参ります」と発表し、過去の取材に対しても「教育、運行管理体制をブラッシュアップしてきた」などと説明していた。

 今回の「指名停止措置」という処分を受け、NEWSポストセブンでは改めて「大新東」と内閣府(大臣官房会計課)に対して質問状を送り、処分に対する受け止め方や今後の対応方針について聞いた。

「大新東」は、「(指名停止措置を受けたことは)事実です」と認め、下記のように回答した。

「指名停止措置を受けたことを大変厳粛に受け止めております。事故の真相究明に全力で協力するとともに、二度とこのような事故を起こさぬよう、全社を挙げて安全対策の更なる強化に取り組んでおります。事故発生直後から全社を挙げて、安全管理、健康管理等をすべて見直し、対策を講じて参りました。

 現時点で、『姿勢の点呼時チェックの義務化』『緊急時のブレーキ操作やペダルの適切な踏み替え反射訓練の定例化』『午後の運行業務前における中間点呼の導入』など、すでに検討・逐次導入を進めております。

 また、事故発生の未然防止および発生時の迅速な対応を目的として『重大事故防止対策室』を新設し、安全管理体制の強化も推進しております」

 また、内閣府の担当者も事実関係を認め、次のように回答した。

「資料のとおり、今般の指名停止措置は、大新東株式会社が1名死亡し、6名が重軽傷を負う重大事故を生じさせたことは『不正又は不誠実な行為』に該当すると判断されるため措置したものです。本件事故の原因等については現在も警察が捜査中ですが、事業者に対しては、安全管理や運転手の健康管理など再発防止策を徹底するよう指示しているところです」

 凄惨な事故が二度と繰り返されないよう、徹底した原因究明と抜本的な対策が待たれる。