ニューストップ
>
IT 経済ニュース
>
ITビジネスニュース
>
Z世代 の心をつかむには? 顧客を共創者に変える、パクサンのコミュ…
Z世代 の心をつかむには? 顧客を共創者に変える、パクサンのコミュニティ戦略
Z世代 の心をつかむには? 顧客を共創者に変える、パクサンのコミュニティ戦略
記事のポイントパクサンはZ世代の声を収集し、商品や施策に迅速に反映している。6000人調査と若者評議会を活用し、意思決定の精度を高めている。収益化可能なコミュニティアプリで関係性を強化している。
かつてはミレニアル世代のお気に入りブランドだったパクサン(Pacsun)は、Z世代の嗜好の変化を的確に捉え続けるための新たな方法を見出している。過去4カ月間で、パクサンは10代や20代前半からのフィードバックをもとに、ツールの開発やキャンペーンの調整を行ってきた。昨年9月には、初となるユース・アドバイザリー・カウンシル(Youth Advisory Council)を設立 した。これは俳優やクリエイターで構成されるグループで、定期的にパクサンの経営陣と会い、「クリエイティブ面や戦略」について意見を述べる役割を担っている。同じく昨年9月に、6000人のZ世代およびアルファ世代の回答者から得た知見をもとに、初のユース・レポート(Youth Report)の要点を公開した。内容はメンタルヘルスからソーシャルコマースに至るまで多岐にわたっている。パクサンはその後、カウンシルと調査の両方から得られた知見を活用し、PSコミュニティ・ハブ(PS Community Hub)と呼ばれるショッパブルなアプリを開発した。このアプリでは、ユーザーが商品をキュレーションして購入できるだけでなく、コミッションを通じて収益を得ることもできる。これは、ブランドのファンが求めていた仕組みであった。これらはすべて、パクサンがより多くの「ソーシャルリスニング」に取り組んでいる好例だと、CEOのブリー・オルソン氏は、1月11日から1月13日に開催された全米小売業協会(National Retail Federation)のビッグショー会場での現地インタビューでModern Retailに語った。このインタビューには、最高マーチャンダイジング責任者であるリチャード・コックス氏も同席した。コックス氏とオルソン氏は、パクサンがZ世代の顧客からヒントを得て、それに応じて商品展開、マーケティング、テクノロジーを最適化していると説明した。こうしたデータにより、同ブランドはマクドナルド(McDonald's)とのコラボレーションから、ショッピングモール内での出店拡大までを実現している。以下は、オルソン氏とコックス氏へのModern Retailによるインタビューの抜粋を、長さと明快さのために編集したものである。◆ ◆ ◆
――PSコミュニティ・ハブについて聞かせてほしい。どのように機能し、なぜ今このタイミングで開発したのか? オルソン氏:「これはコミュニティ、コマース、クリエイティビティが融合したものだ。ソーシャルリスニングを通じて、消費者が抱えていた課題を理解したことが開発のきっかけである。具体的には、自分自身のブランドを構築したい、ブランド全体のエコシステムの一部でありたい、長期的かつ持続可能な価値創出の機会を持ちたい、というニーズだ。このアプリは、TikTokやメタ(Meta)のプラットフォームなど、ユーザーがすでに利用しているほかのエコシステムとも連動している。しかし最終的には、制約のない形で我々と顧客との特別な関係性を称えるものになっている。たとえば、プラットフォームに参加するために5000人のフォロワーを持つ必要はない。アフィリエイト報酬を得なくても、コミュニティの一員になることはできる。また、フォロワーが250人しかいなくても、アフィリエイトコミュニティの一部になることは可能だ。これは、取引色の強くないアプリの中で、コミュニティが成長できる場を広げるための一歩に過ぎない。そこでは、参加とエンゲージメントがコマースへと転換していく」。――テックパートナーと組むのではなく、自社独自のテクノロジーを開発することが重要だった理由は何か? オルソン氏:「すでに素晴らしいものが存在すれば、喜んでパートナーシップを組み、それを実現する。しかし今回については、経営チームがコミュニティパートナーと会い、多くの声に耳を傾けたうえで、構築したいものの要件を整理した。その結果、基盤として使える適切でタイムリーなソリューションを持つパートナーを見つけることは難しかった。我々の経営チーム、そして最高技術情報責任者であるシャーリー・ガオ氏が、この革新的なアイデアを、これまでにない形で具現化してくれたことに非常に感謝している。プロセス自体は、想定していた範囲では比較的スムーズだった。ゼロから構築する場合、既存のものに統合するよりも簡単なことも多い。最初から自由に設計・開発できる柔軟性は大きな利点であり、非常に前向きな要素だった。そして、このプロジェクトを12カ月未満で完了させたスケジュールは、かなり印象的だったと思う。現在、このローンチはアルファベータ段階にあり、今後も多くの学びを得ていくことになる。四半期ごと、あるいは月次で継続的なアップグレードを行う予定だ。コミュニティから大量のフィードバックを得て、それをもとに構築を続けていく。最終的に、これはコミュニティのために作られたものであるため、進化の方向性を決めるもっとも重要な指標はコミュニティからの声である」。――2025年、ユース・アドバイザリー・カウンシルを立ち上げたが、初期段階でどのような声が寄せられているのか。また、そのフィードバックを受けてパクサンに何か変更はあったのか? コックス氏:「最近、メンバーをオフィスに招き、非常に有益なインサイトを得ることができた。商品面では、今後のラインアップを事前に見せ、『何が好きか』『何が好きではないか』『これは着たいと思うか』『友人やコミュニティの人たちは何を気に入ると思うか』といった点について意見をもらい、いくつか調整を行った。基本的にはQ&A形式だったが、パクサン側として議論すべきテーマについて多くの示唆を残してくれた。また、PSアプリも事前に見せ、早い段階で意見をもらった」。オルソン氏:「そうだ。ロゴやデザイン、そのインパクトについても強く意見してくれた。意外だったのは、既存のあらゆるものと比べて、アプリの導線や使い勝手が大幅に改善されていると感じた点だ。そのフィードバックを得られたこと、そして彼らが我々の言う『スーパーユーザー』になってくれたことは非常に心強かった。過去3カ月間、多くのコミュニティメンバー、ブランドアンバサダー、従業員がこのアプリを集中的に使い、フィードバックを提供してきた。これは静的な成果物ではない」。――2026年における最大のターゲット顧客は誰か。また、どのようにしてパクサンでの購買を促進していくのか? コックス氏:「引き続き16歳から24歳をターゲットとしており、Z世代とアルファ世代の双方に向けて発信している。我々は両世代について専門性を持ち、彼らが何を大切にしているかを理解している。両者には違いもあるが、16歳から24歳というレンジを我々は確実に押さえたい。これが我々の語りかける相手であり、2026年に向けても変わらない」。オルソン氏:「過去とは異なる形でこれらのコホートと関わる方法のひとつが、パクサン・ユース・レポートの立ち上げである。これは9月にグローバルデータ(GlobalData)を通じて発表され、6000人以上の回答者からデータを得た。行動面および感情面の両方で、2つの世代にまたがる変化をより深く把握できた。リチャードの言うとおり、これによって違い、共通点をより明確にし、将来に向けてどのようにマーケティングし、エンゲージし、こうしたプラットフォームを創出していくべきかを考えられるようになった」。――ユース・レポートの結果を受け、いかにブランドを構築し、両世代のニーズを捉えようとしているのか? レポートでは、Z世代とアルファ世代が「今の生活で重要なこと」としてメンタルヘルスを1位に挙げるなど、注目すべき結果が示されていた。こうした調査結果を、具体的にどうブランド戦略に反映させているのだろうか?オルソン氏:「PSコミュニティ・ハブは、調査で得られた声や、チームが日常的に行っている顧客インターセプトから得た知見への対応例として非常にわかりやすい。注目しているのは単一の接点ではない。あらゆるフィードバックを積み重ねた結果である。また、マーケティングにおいてはキャンペーン重視ではなく、コミュニティファーストのアプローチを取っている。必ずしも季節性に基づくものではなく、常に消費者と関わる機会を模索している。ただし、存在するという理由だけで、すべてのソーシャルトレンドに飛びつくわけではない。音楽、アート、ファッション、スポーツという四つの柱を軸に、それらが次世代の若者を鼓舞するという我々のストーリーにどのように織り込まれるかを、慎重に考えている」。[原文:Behind Pacsun’s strategy for keeping a pulse on the changing tastes of Gen Z]Julia Waldow(翻訳、編集:藏西隆介)