怪我をおして出場しながら見せた“激走”に球場から大歓声が起きた。MLBのポストシーズン(PS)はディビジョン・シリーズの真っ只中。ナ・リーグはドジャースとパドレスが対戦し、日本時間10月8日時点で1勝1敗。同9日の第3戦から後半戦を迎えるが、6日の開幕戦でドジャースのフレディ・フリーマン内野手が決めた盗塁は、序盤2戦のハイライトといえるだろう。

【映像】フリーマン「予期せぬ」激走で監督“呆然”

 日本時間9月27日の試合で右足首を捻挫したフリーマンはこの日、「3番・ファースト」で先発出場。3回裏の第2打席でライト前ヒットを放つと、続く4番テオスカー・ヘルナンデス外野手の打席、4球目でフリーマンがスタートを切った。フリーマンは激走し、気迫のスライディング。無警戒だったためか、間一髪セーフとなり二盗に成功した。際どいタイミングでチャレンジが行われたものの、判定は覆らず。ドジャー・スタジアムに詰めかけた観客から大きな拍手が送られた。

 ヘルメットを飛ばし、ユニフォームが破れるほどの激走ぶりに、実況の近藤祐司アナウンサーは「足首を痛めていたのではなかったのか!」と絶叫。ABEMAで解説を務めた長嶋一茂氏も「いや、監督はサイン出せないですよ。怪我をしているんだから」と言及。同じく解説の石井一久氏も「(サインの可能性は)ないと思います」とした。近藤アナが再び「俺についてこい!と言わんばかりの…」と話を向けると、長嶋氏も「これはチームを鼓舞しましたよ」と応える、執念が光ったプレーだった。

 ドジャースは大谷翔平の3ランで追いつくも3回表に失点して2点を追う展開。この3回裏は0点に終わったものの、直後4回裏に大谷のヒットから一挙3点を奪い6-5と逆転に成功。リードを保ち、初戦を制した。2戦目は怪我の影響で途中交代となったフリーマンだが、ロバーツ監督は第3戦の出場を示唆している。チームを鼓舞する男の出場可否は、シリーズの行方を左右する要素となりそうだ。

(ABEMA『SPORTSチャンネル』)