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18日、関東は夜にかけてゲリラ雷雨に見舞われました。実はこうした“異常気象”は、日本のみならず、世界各地で甚大な被害をもたらしています。

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世界各地でみられる“異常気象”。深刻なのは「水害」です。窓枠を越すほどの濁流。ヨーロッパでは先週から集中豪雨が続き、多くの河川が氾濫しました。

オーストリアでは増水した川の水が線路のギリギリまで迫り、洪水で一時5万棟以上が停電したチェコでは、1万2000人以上が避難しました。

ポーランド政府は18日、壊滅的な被害を受けた街に軍を配備。さらに、非常事態を宣言し、EUに援助を求めました。濁流で一変した、美しいルーマニアの町並み。ルーマニア、ポーランド、オーストリア、チェコでは、少なくとも22人が亡くなり、過去20年間で最悪の洪水となりました。

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水害は東南アジア各国でも…。ミャンマーでは、台風11号から変わった低気圧による大雨で、洪水や地滑りが相次ぎました。

「流されてしまう!」

濁流に流され沈んでいく家屋。この家にいた57歳の母親と14歳の娘が亡くなりました。この映像を撮影したのは、亡くなった2人の親族です。

亡くなった女性らの親族の男性(60)
「水位が急に上昇し、助ける時間がなかった。人生でこんな経験はしたことがない。被災者には支援が必要です。食料や服、避難場所が必要です」

ミャンマーでは、これまでに226人が亡くなり、77人の行方がわかっていません。犠牲者の数はさらに増えるおそれもあるということです。

被害はベトナムでも。254人が亡くなり、いまも82人が行方不明だということです。

“地球規模”で起きている水害。世界で起きた洪水被害件数の推移をみると、この20年近くで急激に増えているのがわかります。専門家は、そもそも各国が被害を報告しやすくなったという要因がありつつも、原因の一つとして地球温暖化があると話します。

東京大学未来ビジョン研究センター・江守正多教授
「大気中に含まれる水蒸気が多い状態になっていて、水蒸気が多い分だけ、たくさん雨が降る」

今回、気候変動対策に積極的なヨーロッパでも起きた大規模な水害。なぜなのでしょうか。

東京大学未来ビジョン研究センター・江守正多教授
「対策を行った国で温暖化が弱まるわけではなくて、地球全体の平均がどうなるかという問題。ヨーロッパが対策しているから(大雨)被害がないわけではない。地球全体でどれだけ対策をしたかによって、温暖化がどうなるかが決まる」

温暖化が進むことで、“地球規模の異常気象”がさらに起こりやすくなると指摘。

東京大学未来ビジョン研究センター・江守正多教授
「世界規模での協力が必要で、そうすると、ようやく温暖化が止まって、大雨が強くなる傾向も止まるということです」

(9月18日放送『news zero』より)