高市早苗氏

 9月17日に放送された『News23』(TBS系)では、自民党総裁選に立候補している9人が出演した。

 各候補に政策や総裁になった際の姿勢について、質問が投げかけられたのだが、高市早苗経済安保大臣の回答が批判の的になっている。

「同番組の小川彩佳キャスターは、立候補にあたり集まった高市氏の推薦人の20名のうち13名が裏金問題で名前があがった“裏金議員”だったことについて、高市氏に見解を求めました。

 すると、高市氏は『裏金議員という言い方は正しくない』と前置きをしたうえで、『不記載のあった方ということで。それぞれの事情があって、選挙区でもう説明を尽くされて、皆さんに納得いただいている方もいらっしゃる』と裏金議員に同情するような発言をしていました」(政治担当記者)

 高市氏は裏金問題について、「再発防止策をしっかりやる」「政策活動費はもう廃止」と自らの施策を述べたが、裏金議員を肯定するような発言について、スタジオではさらなる追及がなされた。

「次はスペシャルコメンテーターの星浩氏が、高市氏の推薦人に裏金問題で役職停止処分を受けた三ツ林裕己氏と杉田水脈氏が含まれていることについて、尋ねました。

 それに対して、高市氏は推薦人を希望する議員は20名以上いたとしながら『どの方を20人に入れるかは選対、チームにまかせましたので、私は翌日の新聞まで、どなたが推薦人になってくださったかは知りません』と言い切ったのです」(前出・政治担当記者)

 しかし、高市氏の「知りません」発言を責任逃れのように、多くの人々は感じたのだろう。Xでは、怒り混じりの批判の声が殺到している。

《高市早苗さんは推薦人に処分議員が居たのは知らなかったって?とんでもない嘘つきです》

《自ら推薦人を選んでいない。非常識だろう。知らぬ存ぜぬとかありえない。》

《話にならないっすね。「誰が推薦人になったか知らなかった」ウソつけ!》

《知らないわけないよ。自分がいる党のこと把握もしてない人が総裁になりたがるなんておかしいでしょ?自分を推薦してくれた人のことすら分からない筈はないでしょ?》

 自民党ベテラン秘書はこう話す。

「SNS上で嘘つき呼ばわりされるのは、仕方がないことでしょう。推薦人が誰かを知らなかったなんて、普通では考えられないことです。立候補した先生方は推薦人にはそれだけ感謝するもんですから。

 だけど、高市さんなら知らなかったというのはあり得るかもね。前回の2021年総裁選で高市氏の推薦人になったある先生が『お礼の電話1本すらなかったと憤慨していた』という話を聞いていましたからね。今回の発言で、国会議員の票が逃げていくかもしれません」

 高市氏をめぐっては、自民党総裁選挙管理委員会が禁止した政策パンフレットを郵送したとして、9月17日、岸田文雄首相、森山裕総務会長ら自民党執行部が口頭注意に加え、「毅然とした対応が必要だ」と逢沢一郎・選管委員長に検討を要請した。

 総裁選も中盤にさしかかったが、高市氏にとっては、まさに踏んだり蹴ったりの状況にあるとも言える。前出の政治担当記者が言う。

「日経新聞とテレビ東京が、9月13日から15日までに実施した『次の自民党総裁にふさわしい人』の世論調査では、高市氏は自民党支持層で8月よりも7ポイントアップし22%と小泉進次郎氏の21%(11ポイント減)を抜いて2位になったばかりでした。ちなみに1位の石破茂氏の25%(11ポイント増)にもかなり接近しています。そんななか、今回の発言が今後の支持にどう響いてくるか気になります」

 政治家であれば“ひと言”でつまづくことをよく知っていると思うが……。