カナダの補欠選挙で与党・自由党が盤石と見なされていた選挙区で敗北を喫し。トルドー首相の責任問題に発展しており、退陣要求も出ている。2025年10月に予定されている総選挙は前倒しで実施される可能性があり、首相に退陣を求める圧力が強まると予想されている。6月にトロントで実施された補欠選でも自由党は敗北しており、この選挙区も自由党の牙城とみなされていた。今回敗北したモントリオールのラサール・エマール・ヴェルダン地区は、トルドー氏の地元でもある。

 カナダの2大都市で与党が敗北した事実は、首相にとって紛れもない危機的状況を示唆する。トルドー氏の政治基盤は都市部に集中している。

 首相が有権者の支持を失う一方で、ピエール・ポワリエーブル氏率いる野党・保守党が全国世論調査で勢いに乗っている。 過去1年間に実施された世論調査では、そのほとんどで保守党が20ポイントもの大差をつけてリードしている。このまま投票日を迎えれば、保守党は大差で政権を奪う。