米高裁、ガソリン共謀値上げの訴え棄却 石油大手2審も勝訴

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Jonathan Stempel

[16日 ロイター] - エクソンモービルなど米石油大手がトランプ前米大統領らと共謀し、ガソリンを値上げして反トラスト法(独占禁止法)に違反したとして消費者数十人が損害賠償などを求めた訴訟で西部カリフォルニア州サンフランシスコの連邦高裁は16日、1審判決を支持して原告の請求を棄却する判決を言い渡した。

原告がガソリン価格が高騰した要因として主張した点について証拠不足が判明したとし、3人の裁判官全員が棄却を支持した。

同高裁は判決理由で、原告は政治的に対立している問題や外国の石油生産政策を争点に挙げており、集団訴訟を起こせないと明示した。

エクソンモービルの他に被告となったのはシェブロンやデボン・エナジー、エナジー・トランスファー、オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)、コンチネンタル・リソーシズ、フィリップス66、ヒルコープ・エナジー、米石油協会(API)。

米ガソリン小売価格は、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の当初には落ち込んだ。しかし、その後は1ガロン当たり5ドルを超え、2倍余りに跳ね上がる場面があった。

急騰要因について原告は、価格低下に不満を募らせた米石油大手が当時のトランプ政権に働きかけ、結果的にサウジアラビアなどの石油輸出国機構(OPEC)加盟国やロシアが減産に踏み切り、石油会社の利益が向上したと主張していた。

高裁のライアン・ネルソン裁判官は、裁判所は外交政策について推測するべきでない上、ロシアとサウジに石油資源の管理方法を命令する権限も持っていないと述べた。