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若くても気づかいが出来る落ち着いた人がいる反面、年齢を重ねていても、幼稚で自己中心的な人もいたりします。一方「あの人は大人だとまわりから言われる人には、自然と人が集まってくる」と話すのが、働く人を元気づけるベストセラーを輩出してきた作家・有川真由美さん。今回、有川さんの新著『30歳でも大人な人 50歳でも子供な人―人間関係も仕事も全部うまくいく大人になる97の方法』から、信頼される大人になるための方法をご紹介します。

【書影】あの人、大人だね、とみんなに言われる人はここが違う。有川真由美『30歳でも大人な人 50歳でも子供な人―人間関係も仕事も全部うまくいく大人になる97の方法』

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正論を振りかざす人にならない

「これはあなたの仕事ですよね」
「約束しましたよね」
「締切は守ってもらわないと」

などと、編集者さんから正論で追い詰められたら、気の小さい私は「わかっています。私が悪いんです」と平謝りになって萎縮してしまうでしょう。

私の担当編集者はみな、「なんとかなりますよ」などと笑って、陰で黙ってスケジュール調整をしてくれる方ばかりなので、一層、申し訳ないと反省するのですが。

正論で追い詰めるのは、冷酷なコミュニケーションだと思うのです。

正論は、かならず勝てる勝負

なぜなら、正論は、かならず勝てる勝負。

「それを言われたら、なにも言えない」となるし、そんなときは大抵、上から目線や、決めつけがセットになっているものです。

「たいへんでしたね」という思いやりや、やさしさはなく、自分は安全なところにいて相手を攻撃するので自尊心が傷つき、「それはそうだけど……」と素直になれないこともあります。

正論を言って相手をフリーズさせるのは、若いときにやりがちなこと。

正義感が強いことも影響しているでしょう。

子供っぽい「白黒思考」

また、「善・悪」「優・劣」「敵・味方」「好き・嫌い」と白黒つけたがる“白黒思考”も子供っぽい考え方。

幼児向けの番組が「正義の味方」「悪者」にハッキリ分かれているのは、子供は人生経験が少ないため、シンプルなストーリーでないと理解できないからです。


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大人になるにつれ、人は白黒はっきりしない“グレー”の曖昧なストーリーを好むようになります。

さまざまな人の考え方を受け入れつつ、「正論だけでは通用しないこともある」「みんな不完全な人間なのだ」と妥協や折り合いをつけるようになるのです。

現実に寄り添おうとする

「正論」や「白黒思考」は一つの方向からしか物事を見られないので、融通の利かない生き方になってしまいます。

「それもあり」と現実に寄り添おうとすることが、成熟した大人のあたたかい目線を作り、現実的な対応に向かわせるのです。

「正論」を押し通すことではなく、まずは相手に理解を示すことから

※本稿は、『30歳でも大人な人 50歳でも子供な人―人間関係も仕事も全部うまくいく大人になる97の方法』(興陽館)の一部を再編集したものです。