(『虎に翼』/(c)NHK)

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7月4日の『虎に翼』

現在放送中の伊藤沙莉さん主演・連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合/毎週月曜〜土曜8時ほか)。第14週「女房百日 馬二十日?」の69回が7月4日に放送され、話題になっています。

*以下、7月4日放送内容のネタバレを含みます。

栄二(中本ユリスさん)の心を開くことができない中、寅子は穂高(小林薫さん)が最高裁判事を退任することを知らされる。

桂場(松山ケンイチさん)に手伝ってくれと言われ、うっかり引き受けてしまった寅子。気まずい気持ちのまま退任記念の祝賀会に出席する。

桂場、久藤(沢村一樹さん)、多岐川(滝藤賢一さん)らが集まる中、寅子は穂高の言葉に真っ向から意見してーーといった話が描かれました。

あらためてあらすじ

第69話では、最高裁の判事を退任する穂高に、祝賀会で花束を渡す役目を任された寅子の姿が描かれました。

穂高はあいさつに立つと「こういう会を設けてもらえるのも、出がらしとして最後まで自分の役割を果たすことができたからなのかな。そう思おうと思った」「法律を一生の仕事と決めた時から、旧民法に異を唱え、ご婦人や弱き者たちのために声を上げてきたつもりだった」「出がらしも何も、昔から私は自分の役目なんぞ果たしていなかったのかもしれない」などと話します。

すると寅子の頭に「君のようなご婦人が学ぶにふさわしい場所だ」と法曹界に勧誘する穂高の姿がよぎり、同時に涙が。

続けて「私は大岩に落ちた一滴の雨だれにすぎなかった」「もうひと踏ん張りするには私は老いすぎた」「後はよろしく頼む」と述べる穂高。そこにきて我慢ができなくなった寅子は、花束を渡す役割を放棄。会場を飛び出します。

廊下で桂場から「ガキ!なにを考えているんだ」と叱責される寅子。

それから穂高と対面すると「謝りませんよ。私は。先生の一言で心が折れても、そのあと気まずくても。感謝と尊敬はしていました。理想のために、周りを納得させようと踏ん張る側の人だと思っていたから」「花束で、あの日のことを、そういうものだと流せません」「先生に、自分も雨だれの一滴と言ってほしくありません」と言う寅子。

すると穂高は突然「あー、あああ、あーあーあーあ!」と叫び、「謝ってもダメ。反省してもダメ。じゃあ、私はどうすればいい」と返します。

対して寅子は険しい顔で「どうもできませんよ!」「我々に一滴の雨だれでいろと強いて、その結果、歴史にも記録にも残らない、無数の雨だれを生み出したことも」「先生には感謝はするが許さない。納得できない花束は渡さない」と答え、その場を去ります。

とぼとぼと会場に戻る穂高をその場に残し、屋上に駆け上がった寅子は「わー!!」と叫び、頭を抱えてしゃがみ込むのでした。

ネットの声

今日の回では、穂高にとっての大切な場で感情を爆発させた寅子を前に、複雑な感情を抱いた視聴者が多かったようです。

ネットでは「穂高先生の最後の晴れの場であれは絶対にダメ」「桂場の心遣いにまで泥を…」「心情を理解できても、共感はできない」「先生の敗北宣言。受け入れられなかったんだろうな」「雨だれでいるのを強いられたことへの反発。実際に雨だれとして消えていった友を横目にしてきた寅子だから仕方ない」「怒りの不自然さがよねに似ている」「こういった感想が出ることも、演出している側の狙い通りなんだろう」「明日は収束の金曜日。待ちましょう」といった声が見られています。

朝ドラ通算110作目となる『虎に翼』は、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんがモデル。昭和の法曹界を舞台に、激動の時代を描いたリーガル・エンターテインメントです。

仲野太賀さんや石田ゆり子さん、松山ケンイチさんらが出演し、尾野真千子さんが語りを、脚本は吉田恵里香さんが担当。

主題歌『さよーならまたいつか!』は米津玄師さんが手掛けています。