ハク役に期待が集まった、SixTONESの京本大我(写真・時事通信)

 2月26日、日本アニメ映画の金字塔『千と千尋の神隠し』が舞台化されると発表された。主人公・千尋役は、橋本環奈(22)と上白石萌音(23)が “W主演” で務める。2022年4月、帝国劇場でおこなわれる東京公演からスタート予定だという。

 舞台化が報じられると、SNS上では「キャスト予想」がにぎわいをみせた。以下で、一般ユーザーたちの予想をご紹介しよう。もっとも混戦となったのは、千尋の相手役となる「ハク」だ。中性的な美少年で、「三次元化はやめて!」との声も多かったが……。複数人が名前をあげていたキャスト予想は、以下のとおりだ。

●ハク

【一般ユーザーの予想】
・京本大我(SixTONES)
・神木隆之介
・入野自由(映画で声を担当)
・羽生結弦
・板垣李光人
・吉沢亮

《次点》
・平野紫耀(King&Prince)
・木全翔也(JO1)
・本郷奏多
・岸優太(King&Prince)
・佐藤健
・神尾楓珠
・阿部顕嵐(7ORDER)
・市川染五郎

 とくに京本と神木が、“トップ争い” を繰り広げていた。ではプロは、どう予測するのか。「劇団5454」を主宰する脚本家・演出家、春陽漁介氏の配役予想を、理由とともにお届けする。

【プロの予想】
(1)吉沢亮
「人気もありますし、舞台経験も豊富なので候補には入ってるように思います。ただ、千尋役のお二人と過去にドラマで共演した際のイメージが強いため、観客が舞台の世界観に没入し辛いようにも感じます」

(2)藤原大祐
「まだデビュー間もないので、知名度こそありませんが、身体も使えて頭が良いですし、連ドラへの出演も続いて注目され始めています。ハクのような凛々しさと優しさを混在させられる俳優なので、もしオーディションがおこなわれれば、可能性はあります」

 ネット上でハクに次いでキャスト予想が賑わったのは、千尋から名前を奪い、物語の舞台となる湯屋「油屋」に縛りつけてしまう魔女「湯婆婆」と、油屋で千尋とともに働く頼れる先輩「リン」だ。

●湯婆婆

【一般ユーザーの予想】
・夏木マリ(映画で声を担当)
・末成映薫(よしもと新喜劇)
・黒柳徹子

【プロの予想】
(1)夏木マリ
「オリジナル(映画)の声優ですし、今回の舞台化で翻案・演出を担当するジョン・ケアード作品への出演経験もありますので、このキャスティングは堅いんじゃないでしょうか」

(2)森公美子
「湯婆婆のサイズ感を重要視するなら、やはりこの方。公演会場となる帝国劇場と森さんの相性も抜群です。ただ、今作はストレートプレイ(歌唱シーンなし)とのことなので、夏木さんのほうに分があるかもしれませんね。もしミュージカルだったら確実に森さんだと思います」

●リン

【一般ユーザーの予想】
・ファーストサマーウイカ
・水川あさみ

【プロ】
(1)広瀬アリス
「リンのお茶目さ、フットワークの軽さを出すことを考えたら、アリスさんが浮かびました。表現のデフォルメも上手いですし、見ていて楽しいリンを演じてくれそうです」

(2)安藤サクラ
「頼り甲斐のあるリンを見せるのであれば、もってこいの女優さんかと。年齢は少し上ですが、千尋役のお二人との年齢バランスで考えれば、問題ないかと思います。安藤さんが演じれば、千尋とリンのドラマが色濃くなりそうです」

 やはり原作声優である夏木マリへの支持が、圧倒的だった。リンは、演出の方向性によって、配役がわかれてきそうだ。

舞台『千と千尋の神隠し』公式ホームページより

 続いては、見た目の “再現性” にも注目が集まる3役。湯婆婆の子供で “巨大で太っちょの赤ん坊” な風体をした「坊」、6本腕を駆使して薬湯の成分を調合する油屋の風呂釜管理者「釜爺」、そして、うめき声だけしか発さず千尋を不気味に見守る「カオナシ」だ。

●坊

【一般ユーザーの予想】
・神木隆之介(原作映画で声優を担当)
・澤部佑(ハライチ)
・クロちゃん(安田大サーカス)
・小峠英二(バイキング)

【プロの予想】
(1)寺田心
「可愛い坊を違和感なく表現出来るのは、心くん一択かと思います。ただ可愛すぎるというか、マスコット的な立ち回りになってしまう懸念はあります」

(2)荒川良々
「コメディリリーフにも思われますが、坊の奇妙さ、執着心を表現するならハマリ役だなと。千尋とのドラマも、奥行きが出そうですし、個人的にはぜひキャスティングされて欲しいです」

●釜爺

【一般ユーザーの予想】
・遠藤憲一

【プロの予想】
・竹中直人
「釜爺の威圧感と愛らしい面を、存分に表現してくれそうだなと思いました。あまり舞台出演のイメージがありませんが、橋本さんの舞台初出演というサプライズもありましたし、ありえないキャスティングでもないのかなと」

●カオナシ

【一般ユーザーの予想】
・佐藤二朗
・後藤拓実(四千頭身)
・大倉孝二
・濱田崇裕(ジャニーズWEST)※『テッペン!「パパジャニWEST」』(TBS系)のハロウィン企画でコスプレを披露

【プロの予想】
・配役なし、映像か人形
「カオナシに関しては、映像もしくは人形、舞台装置になるんじゃないかと思います。カオナシの異様さは、肉体を持っている人間には表現し切れないです。声の出演ってことであれば、やはり原作に準じた中村彰男さんがいいですね」

 公演まで約1年、次のキャスト発表はプロモーションの関係から、数カ月〜半年後になると予想される。プロの論理と一般ユーザーの直感、どちらがお好み?

春陽漁介/しゅんよう りょうすけ
1987年6月2日生まれ 33歳 劇団5454(ゲキダンランドリー)主宰、劇作家、演出家。日本大学芸術学部出身。劇団5454の全作品の脚本と演出を担当。外部の活動では、アミューズ製作舞台『青春cm2』などの商業演劇や、WAKAYAMA SOUNDSCAPE 2020『火具鎚のうた』など。文化芸術舞台も。また、映画やアプリゲーム、WebCMの脚本や、Every Little Thingの持田香織の歌詞を物語にする「リリックストーリーブック」の執筆、芸能事務所の俳優養成所や高校演劇部の講師を務め、ラジオ構成作家、FMヨコハマのラジオDJなど、舞台に限らず多岐にわたり活躍