初めての茶道をたしなみ、日本の文化に触れたミシェル(取材協力・茶友倶楽部 空門)

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 現在、競馬界を席巻する“美しすぎる騎手”をご存じだろうか? 先月27日から川崎を拠点に地方競馬で騎乗中のフランス人ジョッキー、ミカエル・ミシェル(24)だ。モデル並みの美貌に加え、仏では2018年に女性年間最多勝利記録を樹立するなど世界版藤田菜七子と呼べる存在だ。日本の芸能界からも熱い視線を浴びるミシェルのJRAジョッキーとしてのデビューは果たしていつ? そのXデー、さらに日本への熱い思いを本紙に語ってくれた。

 ――日本では“美しすぎる騎手”と呼ばれているが

 ミシェル:そう言ってもらえることは、とてもうれしいです。ブスすぎると言われるよりは(笑い)。

 ――自分自身では何と呼ばれたい

 ミシェル:フランスで3か月の間に勝ち星を量産した時、一気に駆け上がるイメージから、トルネードと呼ばれました。そのフレーズは気に入っています。

 ――騎手になろうと思ったきっかけは

 ミシェル:馬が大好きで、それに関われる仕事はないかとインターネットで調べたところ、騎手という職業があるのを知りました。興味を持ち、この仕事をしたいと思うようになりました。

 ――騎手になる前に、厩務員をしていた

 ミシェル:日本と違い、フランスでは上位のジョッキー以外は、騎手だけで食べていくのは難しい。私も厩務員の仕事をしながら、騎手としてレースに出られる機会を探っていました。

 ――2014年に念願の騎手デビューとなったが、翌年(15年10月)には落馬で大けがをした

 ミシェル:ニューカレドニアでの練習中に転倒してしまいました。ようやく騎手になって、これからという時だったので、とてもショックでした。

 ――復帰まで1年半もの時間を要した

 ミシェル:思っていたよりも治るのに時間がかかり、違う仕事を見つけなければと思うこともあったほど、つらく長い時間でした。もう一度、馬に乗りたいという一心で、諦めず頑張りました。

 ――復帰後、18年には女性騎手の最多勝記録を更新するなど大躍進

 ミシェル:17年に元ジョッキーのフレデリック・スパニュ氏に「君には騎手としてとても素晴らしい才能がある」と言われ、彼にエージェントになってもらいました。彼の指導はとても厳しいですが、そのおかげで大きく成長できました。

 ――南関東で一緒にレースをして、うまいと思うジョッキーは

 ミシェル:(笹川)翼騎手。勝負どころからの仕掛け、追う力がすごい。他にも南関東には、いいジョッキーが揃っていますね。

 ――よく話をするジョッキーは

 ミシェル:的場(文男)さんは、よく話しかけてくれるし、アドバイスもしてくれます。昨夏に初めてお会いしたのですが、あの年齢(63)で今もたくさんのレースをこなし、勝利しているのはすごいです。

 ――JRAの藤田菜七子騎手については

 ミシェル:彼女の結果はいつもチェックしていますが、札幌(ワールドオールスタージョッキーズ)で会った後の半年で、とてもうまくなっていると感じます。今度サウジアラビアの招待レース(28日)で会えるのが楽しみです。

 ――昨夏のWASJで来日した際には「日本に恋をした」と言っていた

 ミシェル:実際に生活してみて、もっと日本のことが好きになりました。これから文化などにもたくさん触れてみたい。私の夢は日本のジョッキーとして長く住み続けること。そのためにもJRAの通年免許を取得したいです。

 ――今、所属している地方競馬とJRAでは環境がかなり違うと思うが

 ミシェル:確かに同じシステムではないですが、地方競馬も素晴らしい環境だと思うし、私にとって、とてもいい学校です。

 ――JRAの騎手免許試験は言葉など含め、かなりハードルは高いが

 ミシェル:2〜3年はかかるかもしれないですが、日本語などをしっかり勉強して、試験を受けたい。転んでも立ち上がって、合格するまで頑張りたいです!

 ――プライべートではどんなファッションを

 ミシェル:普段はジーンズをはくことが多いですが、フランスではヒールの高い靴にワンピースのドレスが多かったです。フランスの女性ジョッキーは男の子っぽいイメージを持たれがちなので、それを覆したくて女性らしいエレガントなスタイルを心掛けています。

 ――日本とフランスのファンの違いは

 ミシェル:フランスでは競馬場に観客はあまりいないけど、日本はたくさんの人が来て、応援してくれるのをじかに感じることができ、励みとなり力となる。だからこそ、ファンの方にできる限り返していきたいという思いが強くなっていきます。

 ――相撲と野球に興味がある

 ミシェル:とにかく日本のことが大好きなので、日本人に昔から愛されている相撲と野球を実際に観戦してみたいです。

 ――日本の食べ物は口に合う

 ミシェル:はい。日本の食事はおいしくて、フランスが恋しくなることはありません。特に日本のイチゴはとても甘くて驚きました。あとはコーンスープですね。フランスでは野菜スープはあるけど、トウモロコシだけのスープというのはなくて。日本で飲んでみて、夢のようなスープだと思いました。すしや焼き魚など和食も、とてもおいしいです。

 ――お酒のほうは

 ミシェル:少しだけですが、食事などの時に白ワインかシャンパンを飲みます。今日、初めて日本酒にトライしましたが、飲み口がよくておいしいです。飲みすぎると危険そうですが(笑い)。

【JRA通年免許取得へ日本語の「壁」】ミシェル騎手が目標に掲げるJRAの通年免許取得に向け、最大の障壁となりそうなのが日本語の習得。2次試験では面接を含め全てが日本語となるため、かなりの日本語力を問われ、過去にはM・デムーロ騎手やモレイラ騎手も不合格となっている。現在、彼女はルメール騎手が試験を受ける際についていた家庭教師の下で、日本語の習得に励んでいる。このまま順調に進めば来年には試験を受け、早ければ再来年にはJRAジョッキーとしてデビューする日が来るかもしれない。

☆ミカエル・ミシェル 1995年7月15日生まれ。フランス南東部イエール出身。10歳で乗馬を始め、2011年に競馬学校に入学。14年3月に騎手デビューし、同年9月に初勝利を挙げる。その後、落馬による負傷で1年半の休養を経て、17年に17勝をマーク。18年には女性騎手として初めてフランス年間リーディングで83日間にわたってトップを維持し、最終的には72勝を挙げ12位で、国内女性騎手の年間勝利記録更新。19年8月にはJRAワールドオールスタージョッキーズで初来日し総合3位となった。