ゴミ出しの様子から、なぜ民度までわかるのか?(写真:suzu / PIXTA)

奥さんの妊娠をきっかけに、ごみ収集会社の正社員とお笑い芸人の二足のわらじを履くようになった、お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さん。今回はゴミ清掃の現場で働いてわかった、「引っ越しのコツ」や「民度の測り方」について紹介します。

引っ越しをするとき、おそらく何件か不動産屋さんに候補を出してもらい、実際その家やアパートを内見する人も多いと思う。その時にゴミの集積所を見てほしい。きれいに集積所を使っているのならば、そこの近隣の方々は、キチンとルールを守って生活している可能性が高い。

われわれ清掃員は回収の日、違う種類のゴミが出されていると、清掃車に積み込んではいけないので置いていく。ゴミが残っていたり、缶やビンだけが置いていかれていたりしたら、それは回収不能のゴミなので、誰かがルールを気にしないでゴミを出している。それは単にゴミ出しのルールが守れないだけの話ではない。ひとつルールを破る人はいくつも破る傾向にあると僕は思う。

昔、学生の頃住んでいたアパートで隣人は音楽ガンガン、深夜飲み会おかまいなしの住人だったが、おそらく隣の人が出しただろうと思われるゴミは、回収不可のシールが貼られていて、よく集積所に放置されていたのを覚えている。ルールを知らないだけだったら仕方がないが、はなからルールなんて関係ないと思っている人も世の中には実際存在する。

だから集積所はそこにどんな人が住んでいるのかを知る、ひとつのヒントになる。管理人が管理している場合を除いて、集積所がきれいに使われているということは、互いにルールを守るような「目」がそこには存在する。

時折、集積所を回っていると清掃事務所が設置した看板ではなく、手書きの看板で「指定時間以外のゴミ出し禁止」など脅迫文のような筆圧でなぐり書きしているものを見掛ける。こうして風紀を声高に叫ぶ人がいるなら、きっと別のルール違反(騒音など)も同様に注意すると思われる。

その土地の民度は「ゴミ出し」に表れる

引っ越し先の近辺を歩いてみて、周りの集積所がきれいに使われていれば、おそらく各箇所でグループになり、きっとゴミ当番制を敷いて、担当の人間が責任を持って片付けていると考えていい。そういうところに属している人間ならば、袋に燃えるゴミだろうが、燃えないゴミだろうが構わず入れてしまえという発想にはならない。

普通の人なら担当者の顔が思い浮かんで、あそこの人は分別もできないのかと陰口をたたかれるかも、と思うので分別するものだ。

ゴミ当番のことを話していれば、おのずとそこに誰が住んでいるということも知ることになり、自然とあいさつもするようになる。

近隣の人たちとコミュニケーションを取りたくないという人にはおすすめできないが、昨今子どもを狙った犯行の多くは、地域の関係が失われているのが原因だと言われて久しい。こういう場所だと近所の人たちが顔見知りなので、あの子はあそこの子で今日も元気よく遊んでいる、と声はかけずとも見張る「目」がそこにできる。ファミリーで住むのであればおすすめだ。

逆に冒頭でも述べたが、集積所が汚いところはあまり近所の人達の「目」が行き届いていない。集積所が汚れていても、誰も片付けようとせず、気にもしない。100%ではないが、治安が悪いと言われている地域の集積所は汚いことが多い。

治安が悪いと言われている地域は、普通あまり住みたいとは思わない。知らずに住んでしまった人は仕方がないが、知っていたのに入居する人は何らかの理由があってそこに住む。あまり人とかかわらないで過ごすことができるので、結果自分だけのルールで生活できる。そういう人が数多くいれば、自然と集積所は汚くなる。汚いゴミを見れば自分も少しくらい汚しても大丈夫だと思うようになる。きれいなところは汚しにくい。

歩いている人も、汚い集積所を見てゴミ捨て場のように扱うので、缶やコンビニで売っているチキンの骨などをそのままポイ捨てする。するとゴミ出しもますますいい加減になってくるという負のスパイラルに陥る。

ツイッターで上記のことを書いた時に、こんなコメントをいただいた。

「僕は不動産屋を営んでいますが、お客さんには、住む前に近くのコンビニのゴミ箱を見ることをすすめます。家庭ゴミでパンパンになっているところは、あまり行儀のいい地域ではありません」

僕はやっぱりなと確信した。「自分だけ良ければいい」という考えはゴミ出しに表れる。

「スーパーの袋」からわかる土地の利便性

アパートやマンションを借りようとしているのなら、その物件のゴミボックスを見るのもいいかもしれない。住む人たちがどういう人たちで、管理人がキチンとしているかどうかがわかる。

たとえば、隣人トラブルがあった場合、管理人が関与してくれるかどうかのバロメーターにもなる。では、どういうゴミボックスが良くないのか?

集積所と同様に、底の方に不燃ゴミがたまっていたり、単体のビン、缶、ペットボトルが袋に入っていない状態で放置されたカオス状態なゴミボックスだ。それは分別されていないゴミを袋から出して、清掃員が置いていかざるをえなかったと考えていい。

しかも、それらが蓄積されても管理する人が誰もいないということ。共有スペースの電灯が切れても、こっちが連絡しないかぎり、換えてくれないかもしれない。つまり、管理の行き届いていない物件ということだ。

ゴミでしかわからない情報

そして、ゴキブリ用殺虫剤がやたらと出る地域がある。それも1軒、2軒ではなく、その辺り一帯に多く出るところがある。ということはその辺りにはゴキブリが多く出ているということである。これもゴミでしかわからない情報だ。

僕が分析するに、川沿いで古い民家が多いところがその傾向にあるような気がする。こういう地域に引っ越しを考えている方がいたら、不燃ゴミを見るのがおすすめだ。逆に良い情報を得るなら、スーパーの袋を見るといい。


この場所だったら、3つくらいのスーパーに行ける範囲なのにと思っていても、一人勝ちのように同じスーパーの袋しか出ていない地域がある。察するに、断然、そのスーパーが便利さと安さを兼ねている。

それに同じスーパーの袋がたくさん出ているならば、きっとそのスーパーのレジ袋は有料じゃないと推測できる。スーパーの袋で出していいということはゴミ袋もわざわざ買わないで済む。安いうえにゴミ袋代もかからない。何より安いスーパーが近くにあるというのは心強い。ゴミが出ている時間にリサーチしなくてはならないので大変だと思うが、賃貸ならまだしも、もし家を買うんだったら、そのくらいしてもいいと思う。

以上、滝沢不動産、いや滝沢清掃員がまとめると、上手な引っ越しのコツは3つ。―言兔蠅鮓る▲乾澆瞭睛討鮓るコンビニをチェックすることである。