医療の地域包括ケア支えるITサービス、どう差別化する?
2025年には、いわゆる団塊の世代が75歳以上となり、医療費の膨張が懸念される。政府は限られた医療資源を効率的に活用する観点で、地域包括ケアシステムを推進。大病院での治療は紹介患者を中心とし、一般的な外来受診については、かかりつけ医に相談する体制の普及などを目指している。加えて終末期医療の重要性を踏まえ、主治医とケアマネジャーの連携強化もうたう。こうした多職種間でのやりとりにITは欠かせない。
レスコ(広島市中区)は、精神科向け診療支援システム「アルファ」が伸びる。約160の病院に導入済みで、2年後には200病院を見込む。地域包括ケアの普及を踏まえ、精神科クリニック用の電子カルテ「ワロク」も展開している。
ただ藤川義雄レスコ社長は、「製品単品での差別化は難しくなってきている」と話す。例えば電子カルテは多くの事業者が展開しているが、医師にとってカルテへの入力が必要な項目はそれほど違いがないと考えられる。アプリの機能自体では独自性が出しにくくなる可能性も出てくる。
そこで藤川社長は「(顧客に)自社のビジョンに共感してもらうことが必要」と指摘する。アルファとワロクの相乗効果を追求し、精神科医療全体の質を向上する姿勢を訴えていく方針だ。
ワイズマンの伊藤部長は、メルタスの使い勝手を向上する考え。「顧客は連携の仕事自体に慣れておらず、メルタスも試行錯誤しながら使う。(操作や、情報の表示形式の)分かりやすさが重要だ」と気を引き締める。
データベース(DB)で差別化する選択肢もある。米DBソフト開発会社の日本法人のインターシステムズジャパン(東京都新宿区)は、自社のDB製品「キャシェ」が福岡県豊前市の在宅歯科訪問情報ネットワークに採用された。さまざまなデータモデルに対応する点や、拡張性などが評価されたという。
同社営業部の紺木孝之アカウントマネージャーは、「大きな自治体ではデータも大量になる。すぐにデータを活用できる体制が重要だ」と指摘。今後の拡販にあたり、米国ではニューヨーク都市圏での導入実績もある点なども訴求していく。
