病気やケガなどで体の一部を失ってしまうというのは、自分の身に降りかかってみないと理解できないつらさや悲しみがあるとおもんばかってしまいますが、そんな悲劇を乗り越え、なんと病気で切除してしまった自身の右脚の骨を譲り受け、洗浄・再組み立てを行ったうえで専用のInstagramアカウントを開設して、いろいろな写真をアップしている女性がいます。

Amputated foot gets its own Instagram account - BBC Newsbeat

http://www.bbc.co.uk/newsbeat/article/38621920/amputated-foot-gets-its-own-instagram-account

足首とその先の骨と一緒に写真に写っているのが、アメリカ・オクラホマ州に住む25歳の女性、クリスティ・ローヤルさんです。ローヤルさんは2016年5月、類上皮肉腫と呼ばれる非常にめずらしい病気にかかっていると診断を受けました。この病気はいわゆる「がん」の一種で、臓器以外の筋肉や血管、リンパ管などに腫瘍が発生するという重い病気です。

Used to be attached to this weirdass #amputee #skeleton #foot #cancersucks #cancer #epithelioidsarcoma #downtown #okc #oklahomacity #oklahoma #onefootwander cancer footさん(@onefootwander)が投稿した写真 - 2016 10月 11 6:26午後 PDT




最初に医師から病名を告げられ、病気を治せる唯一の方法が「右脚の切除」と告げられた時、ローヤルさんは「これで何か面白いジョークを言ってやろう」と思ったとのこと。重い病気であることを告げられた人とは思えない反応をしめしたローヤルさんは医師に「ねぇ、その足を返してもらうってできますか?」と尋ねます。

最初はジョークのつもりだった発言ですが、後にローヤルさんは本当に切除した足を返してもらいたいという気持ちがあることに気づきます。最初はローヤルさんのジョークに「普通じゃない」と反応を示した医師団でしたが、ローヤルさんの願いは受け入れられ、切除手術から一か月後、ローヤルさんはかつて体の一部だった部位を「Biohazard」と書かれた袋に入った状態で受け取りました。

大きな手術を受けたローヤルさんですが、それでもその中から面白い部分を見つける気持ちは忘れなかったとのこと。体の一部を返してもらった時のことについてローヤルさんは「その時になって、私は気持ちの上で離れることができました」と語っています。そして、そんなローヤルさんは次に、「自宅でずっと自分の足だった部分と過ごす時間があって、ある時に「この状況を利用してジョークを作ろう」という気持ちになったそうです。

切断する前の最後の写真、というのがこの投稿。コメント欄には、ローヤルさんの勇気をたたえるコメントが多く寄せられています。

#tbt last living photo #amputee #skeleton #foot #cancersucks cancer footさん(@onefootwander)が投稿した写真 - 2017 1月 5 9:03午前 PST




Instagramを使って発信するというのは友人からのアイデアだったそうですが、ローヤルさんはその考えが気に入り、実行に移します。彼女は手元にあった骨を業者に送り、洗浄とホワイトニングを施した上で、鉄のワイヤーを使って元どおりの形に組み上げ直してもらいました。

そしてローヤルさんはInstagramアカウント「One Foot Wander (#onefootwander)」を開設。最初に投稿した内容は、骨を元あった右脚の先に置いた状態で撮った写真とともに「再結成。とてもいい気分」とコメントするものでした。

Reunited and it feels so good #reunited #amputee #onefootwander cancer footさん(@onefootwander)が投稿した写真 - 2016 9月 8 3:07午後 PDT




その後もローヤルさんは、骨のオブジェを「Footzilla」(足+ゴジラ=フッジラ?)と名付けて「フッジラ・パート2で灯台を破壊するところ」という投稿を行っていたり(Bouta = about to)。この投稿には閲覧者から「最初はカモメかと思った!ユーモアのセンスをありがとう!」などのコメントが寄せられています。

Footzilla pt 2. Bouta destroy this lighthouse. #amputee #skeleton #footzilla #lighthouse #lakehefner #longwalksonthebeach #onefootwander cancer footさん(@onefootwander)が投稿した写真 - 2016 9月 10 6:25午前 PDT




また、骨といえば犬がくわえてどこかに持って行く、という様子がよく思い出されるわけですが、ペットとして飼っている犬とともに「この子はこれが好きみたい」という、なかなか独特なユーモアセンスを見せてくれていたりします。

"Dogs love us" - Bones #amputee #skeleton #funnybone #gsd #dog #bones #onefootwander cancer footさん(@onefootwander)が投稿した写真 - 2016 9月 9 6:50午後 PDT




中でも、映画「フットルース」のジャケットと骨を並べて「www 意味わかる?」という投稿が秀逸。(Foot (足)+Loose(開放する)、またはLose(失う)にかけたジョーク)

Lol get it? #amputee #skeleton #foot #funnybone #familyvideo #footloose #onefootwander cancer footさん(@onefootwander)が投稿した写真 - 2016 10月 3 7:12午後 PDT




自分の骨と一緒にあちこちを訪れて写真に収めているローヤルさんは、普段は四角い箱に入れて持ち運んでいるとのこと。「あまりたくさん旅行するお金はないので、どこに行く時でも一緒に持っていって、『ここで写真を撮ったら面白いかも』と思った時に撮影するようにしているの」と語っています。幸いなことに、術後は病気の再発も確認されていないとのことで、これからもいろいろな写真がアップされることになりそうです。

Happy new year guys, fuck 2016 haha #amputee #skeleton #foot #onefootwander cancer footさん(@onefootwander)が投稿した写真 - 2016 12月 31 10:00午後 PST