小豆島vs城東、小豆島vs阿波

写真拡大

小豆島、個の収穫と気魄の反省得た練習試合初戦

城東戦で完投した小豆島・長谷川 大矩

 選手主導の「ボトムアップ」を採り入れて1年余り。昨秋は選手17名、部員19名で後に明治神宮大会優勝を果たした高松商を破り、秋季四国大会初出場を果たした小豆島。その功績が認められ、21世紀枠でのセンバツ初出場を果たした彼らの練習試合初戦が、3月12日(土)徳島県阿波市の徳島県立阿波高等学校グラウンドで開催された。

 変則ダブルヘッダーの第2・第3試合に登場した小豆島はまず城東と対戦。「秋季四国大会初戦の土佐戦(3対4で敗退)では初回の入りが悪かったので、初回から気魄を持っていくことを心がけた」と主将・樋本 尚也(3年・遊撃手・右投右打・172センチ70キロ・土庄町立土庄中出身)が語ったように、彼らは序盤、素晴らしい滑り出しを見せる。

 初回二死二塁から4番・植松 裕貴(3年・捕手・右投左打・170センチ62キロ・小豆島町立内海中出身)が二遊間を破る先制適時打を放つと、続く2回も二死一・二塁から9番・坂口 大和(2年・二塁手・右投左打・164センチ55キロ・小豆島町立小豆島中出身)が右中間を球足速く破る2点三塁打。杉吉 勇輝監督もかねてから強化ポイントにあげていた打撃強化が早くも実を結び、エース・長谷川 大矩(3年・左投左打・173センチ77キロ・小豆島町立内海中出身)も2回6人を完璧に抑える。

 しかし好事魔多し。「打者の反応を見ていく」をテーマにしていた長谷川が3回裏にストレートを狙い打たれ同点に追いつかれるとベンチのムードは一変。続く4回裏には死球、内野手の失策にはじまり、投手と外野手の連続失策で打者走者までが生還する3失点で一点、城東に主導権を握られた。

 7回表には投手の交代を捉え、長谷川ー植松ー石川 生強(3年・一塁手・右投左打・172センチ72キロ・土庄町立土庄中出身)の主軸3連打で同点に追い付く粘りを見せたものの、最後は最終回二死での敬遠満塁策も実らず。城東2番・福本 匠吾(3年主将・遊撃手・右投右打・168センチ68キロ・徳島中央リトルシニア出身)に中前に運ばれ、小豆島はサヨナラ負けで練習試合初戦を終えた。

 続く阿波との練習試合でも小豆島は守備面での連携ミスが頻発。7回裏・2試合で3安打目となる6番・下地 潤哉(3年・右翼手・右投右打・168センチ75キロ・土庄町立土庄中出身)などの3安打で意地の1点を返した意外はいいところなくコールド負けを喫した。

 大会2日目第1試合・釜石(岩手)との「21世紀枠対決」まで、残された練習試合は4試合。3月13日(日)高知県立春野総合運動公園野球場での高知(高知)、慶應義塾(神奈川)戦、3月17日(木)兵庫県内での姫路西(兵庫)戦を通じ、「僕は危機感を持っているし切羽詰っているが、そこを感じられるか、気付くのを待っている」指揮官の願いをどのように選手たちが「気魄」の下に戦術化し、具現化できるか。

「入れたい単語は集まって、これからチーム全体で話しながら文面を作る段階。ふるさとや地方の皆さんを元気にしたい単語を入れていきたい」樋本主将の開会式選手宣誓と同時進行で、小豆島は変化・進化・開花へのラストスパートをかけていく。

 なお、2試合のスコア等は以下の通りとなっている。

(取材・写真=寺下 友徳)

注目記事・第88回選抜高等学校野球大会 特設ページ・2016年度 春季高校野球大会特集