14日朝、東京・大手町の停電したビルの外で復旧を待つ会社員。(撮影:常井健一)

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首都圏で14日朝発生した大規模停電で、週明け東京都心のオフィス街でもエレベーターが止まるなどの影響を受けた。

 大企業の本社がひしめく東京・大手町にあるアーバンネット大手町ビルでは、 午前7時半ごろからオフィスへの電力供給が止まり、エレベーターも全面停止。午前9時半ごろには、ビルに入居する野村證券やバークレイズ銀行、NTTなどに出勤してきた従業員100人以上が、オフィスにたどり着くことができず、炎天下のビル前や暗くなったエレベーターホールで立ち往生を強いられた。

 野村證券は、同ビルを会場に予定していたセミナーを急きょ取りやめた。担当職員が中止を知らせる紙を示して、来場した参加者に釈明する場面もあった。

 ビル前の広場に座り込むサラリーマンの中には、復旧を待ちくたびれた様子で手持ちのノートパソコンを開いて仕事を始める姿も。男性会社員(33)は「お盆中に済ませたい仕事もあったのですが…」と話し、 居合わせた同僚とともにスポーツ新聞を団扇代わりにしきりに扇いでいた。

 大手町界隈では、お盆休み中の企業も多いため、通常より人出も少なく、特に目立った混乱は見られなかった。同界隈で客待ち中の個人タクシー運転手の田中操さんによると、停電で交通機関に影響が出たことから、駆け込み客で一時タクシーがつかまりにくい状況になったという。「当初は停電に気付かず、お盆なのにお客さんが多くて驚いた」と話していた。【了】

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