韓国の冬に欠かせない「おやつ」 ホットク

写真拡大

冬に食べる「おやつ」と言えば何を思い浮かべるだろうか? たい焼き、焼きイモ、あんまんや肉まんなどであろうか。韓国にも冬になると登場するおいしい「おやつ」はたくさんある。今回は韓国ならではの冬限定「おやつ」をいくつかご紹介しよう。

韓国を訪れたことのある人ならご存知だと思うが、韓国の街にはあちこちに屋台が出ている。トッポッキ(餅をコチュジャンのソースで煮込んだもの)や、スンデ(豚の腸に春雨や豚の血を詰めたもの)、キンパッ(韓国のり巻き)、天ぷら、おでん、餃子など…これらは一年中食べることができ、冬になるとこれらに加え、さらにレパートリーが広がる。街を歩いていると、何を食べようか目移りしてしまうほどである。

そんな中、街で一番よくみかけるのがホットクである。小麦粉の生地に黒砂糖や蜂蜜を包んで平べったく焼いたもので、屋台で焼き上がったばかりのアツアツを歩きながら食べるのが韓国では冬の定番。家庭でも簡単に作れるので、ネット上には様々なアレンジメニューが紹介されている。例えば、いちごジャムや、カスタードクリームを入れてお菓子風にしたり、チャプッチェを入れておかずのひとつにするなど様々だ。日本では「韓国風お焼き」と紹介されていて、中に入る具次第でどんな味にもなれるのが魅力である。

それから、日本で誕生した「たい焼き」は韓国でも冬の定番おやつとなるほど浸透している。だが、韓国には「ボンオ(鯛)パン(=たい焼き)」と「インオ(鯉)パン(=コイ焼き)」の2つの種類が存在している。ブンオパンは日本でもおなじみの、いわゆる「たい焼き」であるが、インオパンは鯉の形をしているためブンオパンよりも若干大きく、餅粉が入っているため生地がモチモチしている。そのためインオパンの方が値段が少し高く設定されているのだが、韓国人でもこの2つの違いについて知っている人は少ないようである。最近では「ブンオパン」よりも「インオパン」の方が主流なので、「黄金インオパン」と書かれた屋台が今時期になるとあちこちに出没している。具もあんこだけでなく、辛いチャプチェが入っているバージョンもあるので、韓国に行った際には是非食べてみてはいかがだろうか。

最後は、日本や中国でもよく食べられている「餅」。柔らかくモチモチとしながらも日本のように長く延びないのが特徴で、蒸した餅、杵でついた餅、炒めた餅、茹でた餅など様々な方法で調理される。味付けも甘いものから辛いものまで幅広く、トッポッキにように気軽におやつ感覚で食べる人が多い。特に、寒くなるとよく食されるため、色とりどりの餅が店先に並び、餅売りのおじさんが街に登場すると、韓国の人々は冬の到来を感じるのである。

韓国の冬は寒く、中でもソウルは1月ともなると平均気温がマイナスという極寒の世界に突入する。だが、ホットクなど、美味しいおやつを目当てに、寒い韓国に行ってみるのも楽しいかもしれない。

参照:ジャム入りのホットクの作り方を紹介しているブログ
関連画像:京郷新聞−餅売りの男性

(文:林 由美)

トレビアン韓国とは……
トレビアン韓国とは韓国に特化した情報を提供する媒体です。
通常のトレビアンニュースとは異なり、韓国に詳しい専門の日本人記者が取材、執筆を行っております。
韓国中心の出来事をいち早くお届けできるように頑張っていきます。