アラベスMF乾貴士【写真:Getty Images】

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古巣エイバル戦では華麗なテクニックで先制ゴールをマーク

 日本代表MF乾貴士のアラベスでの評価はうなぎ上りのようだ。

 現地時間9日のリーガ・エスパニョーラ第27節エイバル戦(1-1)にフル出場した乾は、公式戦2試合連続ゴールで先制点を決めた。上位争いを繰り広げるチームにとって大きな戦力になっていることは確かで、地元紙「ノティシアス・デ・アラバ」で「体格こそ小さくとも、才能は大きい」と大絶賛されている。

 4-4-2の右サイドハーフで起用された乾が、古巣エイバル相手に大仕事をしたのは後半13分だった。センターサークル付近からドリブル突破を仕掛けたスペイン人MFジョニーの突破からのスルーパスを受けた乾は、ペナルティーエリア右の角度のないところからゴール前に折り返すモーションを見せて相手GKの重心を崩し、ゴールへと流し込んだ。その後アラベスはエイバルに追いつかれたものの、勝ち点1を手にしてUEFAヨーロッパリーグ(EL)圏内の5位を守っている。

 乾にとって昨季まで所属したエイバルへの“恩返し”となった形だが、記事ではその働きぶりを「イヌイ、偉大な天才の猛攻」と銘打ち、このように記している。

「冬の移籍市場で獲得した3人のうち、イヌイは良いパフォーマンスを見せている。この日のダービーでも右サイドでボールを受け、サイドを崩そうとした。スピードとテクニックの融合によって、彼の元チームメートは深刻な危機にさらされた。イヌイは攻撃に最大の危険性を生み、それは後半始めに明確になった。カウンターでのジョニーとの関係性でゴールが生まれたのだ」

アラベス移籍で本来の輝きを取り戻す「体格こそ小さくとも、その才能は大きい」

 前節ビジャレアル戦(2-1)でも、ドリブル突破からのラストパスで乾の移籍後初ゴールをお膳立てしたジョニーとの関係性の良さを明記。試合中にはテクニカルエリアにいたエイバルのホセ・ルイス・メンディバル監督と笑顔で冗談を言い合う場面もあった乾について、「体格こそ小さくとも、その才能は大きい」と称えている。

 エイバルから移籍したベティスではフィットしきれなかった乾だが、バスクの地に戻ったことで再び輝きを取り戻した感がある。2試合連続ゴールという明確な結果を残したことで、チームに不可欠な存在となったのは確かだろう。(Football ZONE web編集部)