いっつもシャンパンコールやっているわけではないようです※写真はイメージです

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表参道ヒルズで“仮想ホストクラブ”体験してみませんか?」
現代のセレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」(株・スマイルズ)さんから、こんなお誘いを頂いた。
これまで古着やデッドストック品をリメイクし、現代の既存概念を打ち破る価値観を提案してきた「PASS THE BATON」。今回は「Beyond the border ―歌舞伎町 ホストクラブの世界―」と題し、パスザバトン表参道店内の「PASS THE BATON GALLERY」には、現役ホストの方々の私物展示販売や、実際にホストクラブを無料体験できる「仮想ホストクラブ」が出現。歌舞伎町の夜の世界を垣間見ることが出来るイベントが開催中なのだ。

【“男本”からホストを3名指名!】


気になる“仮想ホストクラブ”無料体験時間は20分。まずギャラリーに入ると、大量の空き瓶が背の高さ以上に積まれたディスプレイと豪華なソファが! これらの空き瓶は実際にホストクラブで半年間消費されるワインやシャンパンの量なのだそう。それにしても凄すぎる(どうやって積んだのかも気になる……)。思わず呆然と立ち尽くしていると、「どうぞ、こちらへ」と女性の店員さんが、その豪華なソファに座るよう促してくださった。

「え!? この豪華なソファに座ってもいいんですか?」と訪ねると、「ええ」とニッコリ。その後、ガラリと雰囲気が変わってホストの中でも“リーダー格!”って感じのBIGオーラを発したスーツ姿の男性が登場。

「今日は特別に3名指名できるので、ホスト達が写っている写真集、通称“男本(おとこぼん)”から選んで下さい」とのこと。
「お、おとこぼん……」開いてみると、白いスーツ姿に赤いバラを持つ男子、クロムハーツ的アクセに胸がはだけた黒シャツ姿の男子、カラコンばっちりの黒執事的男子など……なんていうか、周りにこんなお友達いないし、もはや異次元すぎて、選べない……。

【いざ、ホストクラブ体験。自然体なテクニックはさすが!】


登場したのが、ふんわり茶髪のハーフ系ハンサムなA氏、背の高いシュッとした黒髪系B氏、お世話になっている広告代理店の方に似ている、知性派ビジュアルのC氏、同じホストとはいえ個性はさまざま。新宿歌舞伎町に4店舗を構え、10年以上の実績を持つホストクラブ、Smappa! Group/スマッパグループから来られているのだそう。

まずは白ワインで乾杯(←こちらも無料)。
「美味しい!」と言うと、すかさずハーフハンサムA氏が「ワインお好きなんですか?」(にこっ)。
「ええ、好きなんですけど、お料理と一緒の時は赤ワインの方が多いんですけどね」と答えると、「僕もそうなんですよ。料理が終わると、また白ワインに戻ったり」
―――さすが!
何が“さすが”かというと、私が漏らした“たった一言”をすくい上げ、次に話した私の言葉にさらりと“共感”。女性の共感脳を刺激して、一瞬にして好感度をアップさせてしまう、このテクニック。

テクニック、という書くとあざとい感じがしてしまうが、ほんの一瞬の会話で、まったくもって自然体。そして和やかなムードが流れる。
「みなさん、礼儀正しい方たちなんですね」
ホストクラブ未経験な私としては狩野○孝さんキャラ的な「俺、イケメン!」と自負している白スーツな方々に、どや顔で横に座られ、「ちょっとシャンパンでも頼んでみちゃう〜? スタッフゥ〜!」と、頼んでないのにシャンパンが注がれ、気づくとホスト全員に取り囲まれ、シャンパンタワーが始まり、そのお会計はすべて私に……というバッドスパイラルな状況が頭にチラホラ浮かんでいたりした(ホストクラブの方々本当にごめんなさい)ので、目の前にいるホストの方々の姿勢の良さや、何なら両膝もきちんと寄せられてるお行儀の良い光景を目の当たりにして、思わず呟いてしまったのである。

すると、「最近は、オラオラ系のホストってそんなにいないんですよ!」と知性派C氏が話す。「じゃあ、ナンバーワンになったり、人気のある方々ってどんなタイプなんですか?(←ずっと敬語)」と尋ねると、三人揃って「素直な人」と。
私は一瞬、イケメンホスト3名が新卒の面接官に見えた。初めて入店したお客様とも、ごくごく普通の会話から入っていくのだという。「お見合いと変わらないですよ。もちろん話は僕達がリードしますけどね」とシュッと黒髪B氏。
お見合いか……、私ったら、ずっとシャンパンコールやってるイメージが……「それは、クライマックスですね」なるほど。ずっとシャンパンコールやってたら息切れますもんね。

ホストクラブでは落ち着いた会話もできる、らしい】


「僕のお店は、大人で、紳士な雰囲気がコンセプトなので、落ち着いた会話がしたかったらうちに来てもらえるといいかも。夜も更けるとやんちゃになっているホストもいるかも知れませんが(笑)」とA氏。スマッパグループは、同じ歌舞伎町にそれぞれコンセプトの異なるホストクラブが存在し、女性客は自分好みの場所で楽しむことが出来るのだという。黒髪B氏は「僕のお店はヴェルサイユ宮殿のような店内で、土日はクラシックが流れますよ」ク、クラシック? ヴェルサイユ? あなたはアンドレ?

私の想像力がバグりかけた頃に、「お時間です〜」とスタッフさんの声で現実に戻った。

「スマッパグループの店舗を巡るツアーもあるので、気軽に遊びにいらしてください!」とのこと。思わず「行きます!」と答えてしまったのは、言うまでもない。

最後に、女性にタブーな質問とは何かと尋ねると「年齢と職業」なんだそう。確かにそういう現実から離れて遊びたい女性は多いかも。「もし言いたければ、自分からお話してくれるんで、僕達からはわざわざ聞きません」とのこと。なるほど。この“仮想ホストクラブ体験”は、まさに“Beyond the border”、自分とは全く違う世界と勝手に境界線を引いていたホストクラブのイメージを覆す、学びの多い20分であった。

なお、この“仮想ホストクラブ”無料体験はすでに、満員となってしまったが、ギャラリー内の一角で行われているので、その様子は会期中なら自由にご覧頂ける。その日に出勤しているホストは公式Twitter で発表されるので、お目当てのホストを見つけてその日をめがけるというテも(笑)。

同フロアでホスト達が出品した衣類やアクセサリー、雑貨、DVD、音楽機材なども販売されている。今まで知らなかった世界に触れてみたい、という方は、チラリと覗いてみてはいかがだろうか?
(mic)

『Beyond the border ─歌舞伎町 ホストクラブの世界─』
2015年3月15日まで、PASS THE BATON GALLERY(パスザバトン表参道店内:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ西館B2F)で開催。時間は、11時〜21時(日曜は20時まで)で入場無料