中華街で発見! 「豚殺し鍋」を出す店に行ったら、他の料理もスゴかった

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ユーザーから投稿された「キニナル」情報を検証すべく「はまれぽ」が体を張って調査!

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今回のテーマは…

<横浜のココがキニナル!>
中華街に「豚殺し鍋」とか「犬肉の火鍋」を出している店があると聞きました。名前からして恐いのですが、気になります。(bjさんのキニナル)

確かに、食事のメニューに「殺」が記されていると、いくばくかはゾッとする。そのうえ「殺し鍋」ときた。「豚の殺し鍋」。軽くイマジンしてみると「グツグツ煮えたった大きな鍋に生きた豚をあんなかんじでこんなかんじで・・・アレしたやつとか・・・ひょっとしたら、あんなかんじとか・・・」。

「これは“キニナル”ですねぇー!! いっちょいきますかぁー!! はい、豚殺し! 調べに行きましょおー!!」とのこと。何にせよ、情緒がない。いつだって。
そんな「情緒なし怪獣鍋」こと、はまれぽ編集部・山岸と中華街へ向かった。
 

■「豚殺し鍋」ってどんなの?

中華街の中心部あたりに店があるとのこと。裏路地のもうひとつ裏、ネーミングからしていかがわしい界わい的な場所に位置しているのかと思っていたが、善隣門のすぐ近く。「着きましたぁー!! ここですねー!!」と山岸。
 

中華街にある、中華料理店。といった風情。特に残忍な雰囲気が漂うこともなく、いたって然とした中華料理店。中へ入ることに。

「豚殺し鍋」のバイオレンスなネーミングとはほど遠く、店内は綺麗で居心地も良く、シュッとしている。

では、諸々のお話を店長の方に伺うことに。
「豚殺し鍋」のある店の店長はどんな方が来るのかと思っていると・・・
笑顔の素敵な女性、張青(チョウ・セイ)さんだった。
 

「豚殺し鍋」のイメージがゆるやかに和らいでくる。

ここ「東北人家」さんは、中国の南方出身のオーナーが中華街界わいには少ない中国人向けの店を始めようと、中国の東北地方出身の料理人3人を集め、2012(平成24)年5月に開店。

東北地方の料理というのは、韓国・北朝鮮・モンゴルなどの食文化も取り入れており、ラム肉などを使ったメニューもあるとのこと。

「豚殺し鍋」について、まずは名付け親がどなたか、と名前の由来を聞いた。

「えー『豚殺し鍋』は私が名前つけました」

意外なもので、推測ではテレンス・リー(元傭兵タレント)あたりが名づけたと思いきや、チャーミングな張さんが名づけ親。

由来を聞いてみたところ「中国の東北地方には貧しい生活をしている人が多く、丹精込めて育てた家畜の豚肉を正月に売りに出し、その報酬とご褒美として、売りに出せずに残った臓物を食したことから豚を殺してから食べる鍋、ということでこの料理ができた」とのこと。

耳にすると誤解を生むようなネーミングなのでためらいはあったか尋ねると「ちょっと大丈夫かなと思いましたが、インパクト! あるでしょ!(笑)」とのこと。

ちなみに、 店内の手洗い所「村長室」も十分インパクトがある。

名前の由来はなんとなく。

そろそろ「豚殺し鍋」をいただけるようなので、空腹なのか獣の血が騒いでいるのか、徐々に鼻息が荒くなってきている山岸と到着を待つことに。

■「豚殺し鍋」の前に

予想だにできない鍋の到着を待つ。すると張さんから一言。
「豚殺し鍋の前にまずは、ウチに来たらこれ食べてほしいです」
豚殺し鍋の前に「これ」について談笑しつつ到着を待つ。

しばらくすると、とてつもなく香ばしい唐辛子のにおいとともに張さんの言う「これ」が運ばれてきた。
 

コリコリ、胃袋、豚血豆腐と野菜の辛煮(1050円)。

中国名で毛血旺(まおちゅうわん)というこのメニュー。具は豚の血豆腐(豚の血を豆腐状に固めたもの)・ハチノス・ハツ芯・キクラゲ・豆もやし・エノキ・小松菜・白菜・ネギ・パクチーに大量の鷹の爪。

見た目ほど辛くはなく、味もあっさりコクのある味つけ。箸はとめどなくすすむ。しかし、お冷やで流し込むのは色気がないが仕方なく、とにかく酒にびっちり寄り添うであろう会心の一品。
 

豚殺し鍋を待つ間にもう一品、豚背ガラの醤油煮込み500円。
ビニール手袋をしてしゃぶりつく。ビールがほしい。しなやかな歳下の婚約者くらいほしい。

某テレビ番組でも取り上げられたという豚背ガラの醤油煮込み。4時間ガッツリ煮込んだ東北人家自慢の一品は中国人向けの味つけという店のコンセプトながら、日本人の舌にも親しみやすい味であった。

■「豚殺し鍋」を実食!はたしてどんな鍋なのか?

東北地方の方々が丹精込めて育てた豚を売りに出し、その報酬とご褒美として食していたという豚殺し鍋。運ばれてきました。

豚殺し鍋(1180円/一人前から注文可)。

豚骨ベースの塩で味つけしたスープに、豚ホルモンとバラ肉にスペアリブと豚の血豆腐。野菜はネギと「漬け白菜」。「漬け白菜」は、10月に収穫したハクサイを5月まで塩漬けにして発酵させたもの。

ぷりぷりのホルモンに豚からでたコクのあるスープと漬け白菜の塩気がからむ。まろやかであり、独特な塩気とホルモンのコクと香りにパンチあり。

少しクセのある味わいは一口食べると忘れられない印象と美味さがある。

近年本場中国の東北地方では、海鮮のエビやカキやアサリなどを入れて食するのが一般的になっているが、東北人家ではルーツの味を大事にし、本来のスタイルで豚殺し鍋を提供しているとのこと。

もうひとつのキニナル名前のメニュー「犬肉の火鍋」は、東北地方でよく食べられるポピュラーな料理だという。

犬肉には漢方の役割があり、赤犬の食用もも肉を使っているとのこと。

残念ながら「犬肉の火鍋」に関しては、オーナーさんの意向で「日本と中国の違いすぎる食文化では不本意に思う方々もいらっしゃるので、取材で料理提供し、取り上げていただくことはNGとさせていただいている」とのこと。「お店で気軽にお召し上がりいただければ」と話してくれた。
 

初めて口にする本場中国の味と恐い名前の鍋。
ごちそうさまでした。

■取材を終えて

その名前に躊躇はするが、口にすると素朴で深い味わいがあった豚殺し鍋。
お客さんからちょっと恐い、と言われたこともあるそうで、名前を変えてみようと思ったことはという問いに対し張さんは「豚殺しおいしい鍋にしようかな(笑)」。

豚殺し鍋の名づけ親は最後までチャーミングでした。


●東北人家
住所/横浜市中区山下町214
電話/045-641-7595
営業時間/11:00〜14:00、17:00〜翌2:00
定休日/月曜

※本記事は2014年1月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

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