最大の見所は、なんといっても部員達が熱く議論を交わし合うシーンでしょう。特に次世代メディアや地デジの話題は、単にハードの善し悪しだけでは語れないものだけに、心に染みるセリフも"増量傾向"。AV業界の不透明な未来に一喜一憂する姿が、アキバ系のハートを掴んで離しません。

ブルーレイディスク(以下BD)とHD DVDのどちらを買えばいいかと問われたら「どっちも買うに決まってるでしょ?(早川)」と答えてみたり、「VHSの時も結局メインストリームはS-VHSにすらならなかったし(井深)」との意見には「人があまり高画質を求めていない、あまり興味がないという前例になってしまっているからのう(ゼータ)」という真理で同意してみたり、「BSではワイドで放送してても、地デジだと左右に黒縁が付いてたりするのも納得がいかないっ!!!(井深)」と怒りの咆吼を上げてみたりと、AVマニアの心の叫びが作品内に充満しています。

また、2巻のBDの画質の素晴らしさを解説するエピソードでは、なんとあの『AIR(※2)』を作品例としてチョイス。正式に許可を取ったようで、映像の一部が漫画の中でハメコミ画像として使用されたりもしています(作者&編集者頑張りすぎ)。

裏表紙のオビにはBD版『AIR』の宣伝が! これは全国の鍵っ子(Key信者)も見逃せない、ていうか買ってください……。


(※2)AIR:TVアニメ版『AIR』は、『涼宮ハルヒの憂鬱』などで知られる京都アニメーションが制作。クオリティの高い内容が評価され、多くのファンを獲得した。BD版『AIR』は、国内向けBDソフト第1号タイトルとしても知られている。

それにしても、地デジは本当にどうなるんでしょうか。JEITA(電子情報技術産業協会)の報告によれば、日本国内にあるTVの台数は約1億台(2007年3月発表)。地デジ受信機の出荷台数の累計は2,320万台(2007年6月現在)。日本のTVの生産能力は年間約1,000万台と聞きますので、どう考えても4年後に全てのTVが地デジ対応になるはずがありません。

地上デジタル「2011年完全移行開始」に延期の可能性

個人的には限界までスルーしてみようと思っております(結局アナログは停波しない・できないに100ガバス)。アニメもレンタルショップやGyaOとかの動画配信を活用すれば、特に問題はないでしょう。いざとなったらとりあえずワンセグで観られますしね(今でもケータイのワンセグは、ヒマつぶしに結構活用中)。

とまあ、AVライフの未来を妄想するための燃料として『でじぱら』は非常に素晴らしい働きをしてくれます。是非とも多くの人に読んでいただきたいと、心の底から思う次第であります。

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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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