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加速は718ケイマン凌駕の傑作ドライバーズカー

2017年に登場して以来、6種類の公道仕様や4種類のレーシングカーなどが誕生した、アルピーヌA110。惜しまれつつも、先日、7月1日に生産を終えてしまった。だが英国では、4万ポンド(約840万円)前後で悪くない中古車を探せるようになっている。

【画像】加速は718ケイマン凌駕 アルピーヌA110 ホットハッチのA290とクロスオーバーのA390も 全119枚

A110は約3万台が生産され、グレートブリテン島へ渡ってきたのは1700台ほど。比較的多く売れた市場といえ、当面は整備や修理に困ることはないだろう。走行距離が24万km超えの例も出てくることを考えると、信頼性も高いといえる。


アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)

ご存知の通り、A110は傑作のドライバーズカーだ。ルノー・エスパスにも載った、1.8L 4気筒ターボエンジンは充分な速さを叶え、ピュアかリネージ・グレードでは251psを発生。4.7秒という0-100km/h加速は、ポルシェ718ケイマンを凌駕した。

SとリネージGT(英国名)は当初292psだったが、2022年の小改良で300psへ強化。同年にGTSも追加されている。またコイルスプリングとアンチロールバーが引き締められ、車高は4mm落とされた。AUTOCARとしては、ソフトな足回りの前期型を推すけれど。

自然なテールスライドを誘える喜び

しなやかなサスペンションは、公道との相性抜群。ロータスを彷彿とさせる巧妙さで凹凸を均し、目的地へより速く快適に到達できる。カーブでの姿勢制御は安定し、不快な揺れも伴わない。滑らかな路面が多いなら、タイトな足回りの方が望ましいとしてもだ。

精緻なステアリングは電動アシストで、手のひらへの情報量は限られるものの、ダイレクト感は第一級。加えて、アクセルペダルの加減も交えたライン調整の能力こそ、A110の真骨頂といえる。自然なテールスライドを誘える、喜びがある。


アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)

インテリアは、ロータス・エリーゼより上質ながら、718ケイマンには届かない。居心地が良くシフトパドルは金属製でも、カップホルダーすらない。

2023年に、カーボン製のボディとホイールなどを得た、シリアスなA110 Rが登場。最終モデルはRウルティムで、350psへ引き上げられたが、かなり高額でもあった。中古車となった今でも、ベーシックなA110が最も魅力的だといっていい。

新車時代のAUTOCARの評価は?

アグレッシブなトルク感のターボエンジンに、夢中にならずにいられないシャープな操縦性。すべてが、運転の楽しさを追求したものといえる。自動車旅行を特別な体験へ変えるだけでなく、理解するほど愛着も深まっていく。(2018年5月16日)


アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

ナイジェル・クライセル氏

「ブラウンのレザーとブルーのボディを組み合わせた、初期のリネージを所有しています。これ以上ないほど、素晴らしいクルマだと思います。燃料ポンプのリコール以外、10万km走ってトラブルは皆無。驚くほど快適で、燃費も14.0km/Lを超えます」


アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

ボディパネルはアルミ製で、塗装の定着が甘い部分がある。多くの車両で、気泡のような浮きが見られるようだ。ホイールアーチ・トリムを固定するクリップと、アルミ製のパネルが反応して酸化することも。これを避けるクリップへの交換は、難しくない。

インテリア

コンフォートシートは、サイドボルスターが痛みがち。サベルト社製バケットシートの方が耐久性は高い。座面の高さ調整は、レバーで簡単にできるわけではない。

エンジンとバッテリー


アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)

燃料ポンプは、初期型でインペラーの不調が報告され、リコールの対象となった。バッテリーは待機時の消費が多く、長期間乗らないでいると上がることがある。大容量バッテリーへの交換や、定期的な充電が望ましい。

メンテナンス

エンジンオイルは1万9000km毎、ATフルードは5万8000km毎の交換が推奨されていても、より短い距離で交換するオーナーは多い。維持費は、かからない方といえる。

知っておくべきこと

ライフ110社は、A110用のパーツを幅広く販売している。サスペンション・キットの他、A110カップ用のスポイラーやホイールも入手できる。

英国では、ロータス・エリーゼなどより保険料は高め。年齢の若いドライバーの場合、かなり高額に設定されているようだ。運転する機会が多くないなら、クラシックカー向けの保険を利用するという手もある。

英国ではいくら払うべき?

3万5000ポンド(約735万円)〜3万9999ポンド(約839万円)

2017年から2021年式までの、小変更前のA110を英国で探せる価格帯。走行距離が8万kmを超える例は珍しく、多くが大切に維持されてきた様子。

4万ポンド(約840万円)〜5万9999ポンド(約1259万円)

2022年以降のA110は、この価格帯から。スマホとの連携に対応し、最高出力もグレード次第で上昇している。塗装色や内装、装備などの選択肢は幅広い。

6万ポンド(約1260万円)以上


アルピーヌA110 ピュア(2020年式/英国仕様)

最終年式のA110をお考えなら、英国ではこの価格帯から。7万5000ポンド(約1575万円)まで奮発すれば、Rや限定仕様のR70なども探せる。

英国で掘り出し物を発見

アルピーヌA110 ピュア(英国仕様) 登録:2020年 走行距離:9万9800km 価格:3万4990ポンド(約735万円)

執筆時の英国で、最も安価なA110の中古車。走行距離は長いが2オーナーで、6度の整備をディーラーで受けている。1万ポンド(約210万円)を超えるオプションが備わり、リッチフィールド社によるECUチューニングも実施済み。理に適った内容だろう。