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 俳優の水谷豊(73)と長女で女優の趣里(35)が11日、初共演作の映画「Piccola felicita(ピッコラ・フェリチタ)〜小さな幸せ〜」(監督水谷豊)の初日舞台あいさつを都内で行った。公の場での父娘ツーショットは初。趣里は「私にとっても凄く特別な映画。監督(水谷)のシーンで涙が止まりませんでした」と感想を口にした。

 今作は自主製作映画で、水谷が企画、監督、脚本、プロデュース、主演の5役を務めた。当初は出演は予定されておらず「キャスティングが最後まで決まらなかった。そこに予算表も回ってきて、僕がやることになった。もっとお金があれば、他の人がやっていた」と自虐交じりに経緯を明かした。

 趣里は共演者でもあった父を「監督」と呼び、壇上では互いにマイクを手渡しした。監督から伝えられた役のイメージについて「浮遊感でしたっけ?」と問い直すと、「何か言いましたっけ?」と水谷は覚えておらず、「家に帰ってから、もう一回話をします」と苦笑い。趣里も「家族会議ですね」と応じ、ほほ笑ましいやりとりで会場を笑わせた。

 作中には趣里の濃厚なラブシーンもある。相手役の橋本淳(39)は、恋人役などで何度も共演し、趣里から「安心安全」と信頼を寄せられる存在だ。それでも「濃厚なシーンをパパが近くで見ているという複雑な日々。現場ではカメラの後ろは見ないようにしました」と苦笑い。水谷からは「よくやれましたね」と父親目線の辛口ジョークも飛び出し、橋本はタジタジだった。

 2024年に18日間の短期間で撮影し、念願の公開にこぎ着けた。撮影に参加した関係者が「水谷さんは誰ひとり取り残されないように現場で気遣っていた」と振り返る温かな現場。趣里は「最後のシーンではちょっと甘えが出てしまった」と父の作品ならではの顔も見せたという。水谷は「公開ができて、大きな幸せを感じている」と感慨に浸った。初めて親子で紡いだ温かな映画をさらに全国へと届けていく。

 《小さな幸せを感じる瞬間は?》イベントではタイトルにちなみ「小さな幸せを感じる瞬間は?」という質問が飛んだ。昨年第1子を出産した趣里は「ベビーもいるのですが、今撮影中のドラマで結構難しいせりふが1、2回読んだだけで(頭に)入っている時は小さな喜びがあります」と幸せをかみしめた。祖父となった水谷は「映画の中で孫の写真が出てきますが、あれは僕の孫ではありません」と明かし、笑いを誘った。

 ▽Piccola felicita(ピッコラ・フェリチタ)〜小さな幸せ〜 60代、40代、30代の男女3組が登場する4話構成のオムニバス。3組の物語はちょっとした偶然でつながり、4話で予想外の結末を迎える。水谷は一人きりの生活を続ける定年間近のレストラン店員を演じ、趣里は秘密を抱えた女性を演じる。公開に先立ち全国各地で上映会を行った。