《ライバー刺殺》「もう好きじゃない…お金返して」加害者がハマったライバーの婚約者はタワマンに住む社長「結婚すれば借金返してくれるかも」友人が法廷で証言した被告の期待と復讐への“匂わせ”【裁判傍聴】
2025年3月、東京・高田馬場の路上でライブ配信をしていた佐藤愛里さん(当時22歳)を刺殺したとして、殺人などの罪に問われた高野健一被告(44)の第2回公判が3日、東京地裁であった。この日は被告人質問に先立ち、高野被告の友人Bさんの証人尋問があり、被告が佐藤さんに貸し付けた金を返してもらえず困窮を極めていた状況が克明に浮かび上がった。
【独自・画像多数】「絶対返すから100万円借りたい」事件前の佐藤さんと高野被告のLINEのやりとり、逮捕当時の高野被告の写真
「ケン」から相談を受けていたBさん
高野被告は初公判のときと同じく、黒いスーツ、白いワイシャツ、藍色のネクタイというスタイル。両手をひざの上に置き、左手にハンカチを握りしめ、無表情ながら時折ハンカチで額を押さえる仕草を見せた。
証言台はパーテーションで囲われ証人の姿は見えないが、声からBさんは女性ということがわかる。高野被告との関係性を問われたBさんは『友人です』とし、自らも配信者で2022年10月ごろに高野被告が視聴者として訪れたことが知り合うきっかけだったと答えた。
Bさんは高野被告を「ケン」と呼び、以降はほぼ毎日、事件の前日まで少なくとも2日に1回はLINEでやり取りを続けたという。「ケン」はBさんがへこんでいる時には「俺で良ければいつでも相談に乗るからね」と元気づけてくれていたという。
Bさんは高野被告と知り合った当初の会話の内容については、次のように証言した。
「ケンと知り合ってLINEを始めてすぐに『佐藤さんにお金を貸したけど返ってこない』『法に沿って弁護士に頼った』と聞きました。それから『裁判を起こしたけど裁判に現れなかった』とも言っていました。
佐藤さんにお金を貸すために借りた消費者金融への返済や、弁護士費用の支払いで借金生活に追われているのに、月収は16万円しかないことで先行きに大きな不安を抱えていました。
ポケモンのゲームや食事の話題などをすることもありましたが、統合失調症を患っていたり、他に誰にも相談できないという内容のケンの話を聞いてかわいそうになりました。
そこで会って直接話を聞いてあげようと思い、2023年10月ごろ水戸のカフェで会い、その後2024年11月にも一度会っています」
「婚約者はタワマンに住んでいるお金持ちだから…」
高野被告と顔合わせした際の印象を、Bさんはこう証言した。
「ケンは初めのうちはオドオドして目も合わせずあまり話してくれませんでしたが、場を和ませるために一緒にゲームをしていると少しずつ口を開くようになりました。お金に追われていて生活が苦しい、誰にも相談できなかったから話せてラクになった、そんな風に言っていました。
お金に困っているのは手に取るようにわかったので、『これは返さなくていいから』と交通費として3000円を渡すと、ケンは『必ず返します』と言いながら受け取りました。
2度目に会った時は、佐藤さんが婚約者と一緒にタワマンに住んでいてウィプレイというパーティーゲームに500万円以上課金していること、高級サウナやUSJに行っているという投稿を見たと言っていました。
それから(佐藤さんに対する)財産開示の裁判があるからとも言っていましたが、ケンはそれに期待しつつも怖がっている様子でもありました。婚約者が(佐藤さんに)入れ知恵をして財産隠しをするのじゃないかという心配もしていました」
佐藤さんと婚約者に対して高野被告がどういう反応を見せたかという弁護人の質問に対して、Bさんはこう答えた。
「ケンは最初は(佐藤さんのことを)好きだったけど、もう好意はなくてお金だけ返してくれればいいと言っていました。貸した金額は450万円ほどあったと聞いたと思います。佐藤さんと婚約者の双方に不満はあったと思いますが、2人の結婚に反対するという気持ちはなかったと思います。
結婚をすれば婚約者と共有財産になる。婚約者はIT(企業の)経営でタワマンに住んでいてお金持ちだから借金を返してくれるかもしれない、と期待していましたから」
『死んでくれないかな』という文面をLINEで送ってきた
Bさんは、高野被告とのLINEのやり取りで、佐藤さんに対して「死んでくれないかな」という願望や復讐を匂わせるようなことがなかったかと問われると、こう答えた。
「確かに『死んでくれないかな』という文面をLINEで送ってきたことはあります。ただ、それは佐藤さんがバーで1日店長をするという話の流れで来たものなので重くは受け取っていませんでした。
復讐云々については、過去にケンが佐藤さんに貸したお金が返って来ないとXに投稿したことがあったので、復讐とはそういった暴露のことかと思い、『やってみたらいいのでは』と答えました。
ケンは『それをやったら、今は(僕が)被害者かもしれないけど不利になってしまう』と言っていました。でも、被害者を襲うような予兆は感じられなかったし、もしそういう相談があれば反対していました」
最後にBさんは、事件後に高野被告と面会したかどうかを問われ、こう証言した。
「一度だけ面会に行きました。『後悔している』と言っていました。今回、私が証言台に立ったのは、事実を話したいと思ったからです」
はたして裁判員や裁判官に、Bさんの話はどう響くのだろうか。公判は続く。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

