個の力、少しの差、結果として勝てなかった日本 強いと思った今回のW杯 福西崇史氏の分析
「北中米W杯・1回戦、日本代表1−2ブラジル代表」(29日、ヒューストン)
日本は前半、佐野海舟(マインツ)のゴールで先制したものの、後半に2失点して、最多5度の優勝を誇るブラジルに逆転負けした。5度目の挑戦だった決勝トーナメント1回戦突破はならなかった。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。
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前半は理想的だった。試合の入りでプレッシャーをかけにいって、だめだったら引いて、できる限りのことはできた。佐野が守備から切り替えて出ていき、思い切りの良さから点を取れたし、そこから守り切った前半はやるべきことができた。狙い通りだった。
後半、後手後手になった部分は仕方がない。ブラジルもリスクを負っている。あそこまで押し込まれると出ていけない。それをはね返すことができず、決めるべきときに決められた。結果論だが、相手が上回ったということだ。
1失点目は深くまでいかれたのは仕方がない部分もある。クロスのところにだれかがいかなくてはいけないけど、いけなかった。ではバックパスした瞬間にラインを上げたかというと、オフサイドを取れたはずなのに取れなかった。カゼミロがあそこにいるということは、だれかしらがマークは付きづらいにしても付かなくてはいけない。一つ一つのことが失点につながったと思う。
2失点目は疲れもあっただろう。立ち位置で言えば、田中がボールを取った瞬間、サポートが遅かったし、取られた瞬間に自分の立ち位置が相手に近かったかというと、立つ場所は良くなかったから、遅れて佐野がいかなくてはいけない。シュートが来るのでは、ということで後手後手になっているので、絞らなくてはいけない。
相手に出されたといっても、菅原が絞れたかというと絞れていなかった。どこが悪いかというと、どこも悪い。田中が取った瞬間の油断だろう。
ブラジルのボールを回して回して、押し込んで押し込んで、という圧力にやられてしまったが、一つの原因でやられたわけではない。個の力であり、少しの差であり、でも結果として勝てなかったということだ。
ブラジルの視点からいうと焦っていたと思う。ただ、後半に押し込めたからこのまま行くぞ、ということになった。比較的に早く追いつけたのも大きく、安心しただろう。プレッシャーもあったはずで、最後に決めきることを考えたらさすが、と言わざるを得ない。
日本は1次リーグをどうやって戦っていくか、そして優勝を目指すためにどうやってチームをどう持っていくかを準備してきて、そういうところをしっかり見せた4試合だった。素晴らしい戦いで、強いと思った。決勝トーナメントを勝ち抜いていく上で、しっかり戦えるチーム力、個の能力を上げざるを得ないのだろうが、課題を見つけた。
優勝を目標にしていたが、近い将来への期待はある。優勝と言うとばかにされていた時代から、今回、壁にぶつかった。まだまだ足りないと、気付くことがたくさんあった。努力を続けられるし、前進していると思う。ただ、世界はもっと進んでいるし、前進し続けることだ。

