グッチ が新たに任命したクリエイティブ・ディレクター、その特徴とは?

記事のポイント
バレンシアガのデザイナーだったデムナ氏がグッチの新クリエイティブディレクターに就任し、売上減の立て直しが期待されている。
デムナ氏はバレンシアガで財務的成功を収めつつも、物議を醸すキャンペーンで注目を集めていた。
ケリンググループは話題性と実績を持つデムナ氏の手腕に、グッチ再建の希望を託している。
バレンシアガのデザイナーだったデムナ氏がグッチの新クリエイティブディレクターに就任し、売上減の立て直しが期待されている。
デムナ氏はバレンシアガで財務的成功を収めつつも、物議を醸すキャンペーンで注目を集めていた。
ケリンググループは話題性と実績を持つデムナ氏の手腕に、グッチ再建の希望を託している。
グッチ(Gucci)がようやく獲得した新しいクリエイティブディレクターのデムナ氏は、ベトモン(Vetements)で名をあげたあと、バレンシアガ(Balenciaga)で10年間にわたって実権を握り、大きな影響力を振るったデザイナーだ。
前任のサルノ氏は、長期にわたってクリエイティブディレクターを務めており、アレッサンドロ・ミケーレ氏に代わって2023年に就任してから、グッチを率いていてた。なお、ミケーレ氏はその後バレンティノ(Valentino)に移っている。
グッチにとって必要な人材とは
バレンシアガでのデムナ氏の指揮はケリングにとって財務的には成功で、在職中にブランドの年間収益は約3億5000万ドル(約525億円)から20億ドル(約3000億円)以上の成長を促した。
しかし一方で、議論の種にもなった。2022年に起きた一連の騒動はニュースの見出しを飾った。これには、BDSM(ボンデージ、サドマゾなどの性的嗜好)とテディベアが関わる、不愉快な領域に踏み込んだキャンペーンがあり、その後も、不注意にも児童ポルノへの関連性が含まれていたキャンペーンがあった。これらの失敗が続けざまに起こったため訴訟騒ぎとなり、デムナ氏とケリングの経営役員が謝罪する羽目になったうえ、デムナ氏自身も衣服に注力するため自らの過激な傾向を改めるに至った。
ただ、このような騒ぎを起こす人物こそ、グッチに必要なものかもしれない。同ブランドは前任のミケーレ氏のもとで、イタリアでもっとも大きな収益をあげているファッションブランドのひとつに成長した。しかし、ミケーレ氏が退社してからグッチは低迷しはじめ、ブランドの売上は昨年には23%減少した。
後任であるデムナ氏は現状、財務的に成功するとともに記憶に残り、記事の見出しを飾るようなショーとコレクションを作り出せる能力を証明しており、道標を必要としているグッチにとって恵みとなるかもしれない。
米グロッシーやほかメディアへ共有された声明において、ケリングのCEOを務めるフランソワ・アンリ・ピノー氏は「グループの成功への貢献は莫大なものだった。彼のクリエイティブな能力は、まさにグッチが必要とするものだ」と述べている。
[原文:With a record of making money and stirring the pot, Demna is ‘exactly what Gucci needs,’ says Kering CEO]
Danny Parisi(翻訳:ジェスコーポレーション 編集:島田涼平)
