8月のパート・バイト時給は上昇続く、イベント向けに人材ひっ迫

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 求人サイトを運営する各社が8月度のパート・アルバイト時給動向を発表。マイナビが過去最高時給を更新するなど、夏場の催事やイベント向けを中心に人材需要が旺盛なことが分かった。

【前月は】7月のパート・バイト時給は引き続き上昇、最低賃金アップでさらなる上昇見込む

■リクルートは「販売・サービス系」が2カ月連続で最高時給更新

 13日、リクルートのジョブズリサーチセンターが8月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は、前年同月比34円増の1,190円となり、40カ月連続で前年同月を上回った。24年2月の1,192円に次いで、過去2番目に高い時給となった。

 「販売・サービス系」は2カ月連続で最高時給を更新。「フード系」「製造・物流・清掃系」は過去2番目に高い時給水準となった。10月には最低賃金の改定や社会保険の適用拡大があることから、扶養の範囲内で働きたい人が就業調整を行う場合があるため、人材不足に影響を及ぼす可能性もある。

 地域別では首都圏が前年同月比30円増の1,226円、東海が同47円増の1,121円、関西が同31円増の1,151円となり、3地域とも上昇が続いている。

■ディップは44カ月連続で前年上回る

 同日、ディップが8月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比48円増の1,367円となり、44カ月連続で前年同月を上回った。またアルバイト・パートの求人件数は、同6.3%増の約297,000件だった。

 地域別では関東が同108円増の1,435円、東海が同73円減の1,229円、関西が同38円増の1,342円、九州が同97円増の1,432円と、東海のみ前年を下回った。

■エン・ジャパンは22カ月連続で前年上回る

 同日、エン・ジャパンが8月の「全国アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比74円増の1,290円となり、22カ月連続で前年同月比を上回った。

 8月はイベントや催事の繁忙期に突入することから、サービス系の採用活動が一服する一方、音楽フェスや花火活動などの警備需要が増えたため、警備系の求人数が増加。そうした人材確保に向けた時給の引き上げが全体時給の上昇につながったという。

 職種別は、10職種中8職種で前年同月を上回った。中でも、警備・清掃・設備管理が1,219円(前年同月比:102円増、以下同じ)、運輸・配送・軽作業系が1,276円(86円増)、医療・福祉が1,464円(77円増)、教育・その他が1,428円(107円増)で伸び幅が大きめだった。

 一方で、企画・事務・管理系が1,179円(88円減)、営業系が1,322円(38円減)と、2職種で前年同月を下回った。

 エリア別では関東が前年同月比96円増の1,377円、東海が同51円増の1,304円、関西が同37円増の1,327円となり、3地域とも時給が上昇した。

■マイナビは過去最高時給を更新

 17日、マイナビが8月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比62円増の1,264円となり、33カ月連続で前年同月比を上回った。さらに24年1月と7月の1,249円を上回り、過去最高時給も更新している。

 団塊の世代が75歳以上となることで医療や介護の人材需要がひっ迫することから、「2025年問題」と呼ばれる医療や介護分野の人材需要が増えており、11カ月連続で平均時給が1,500円台となった。また「飲食・フード」「販売・接客・サービス」「レジャー・アミューズメント」の3分野で調査開始以来の最高時給額となっている。

 地域別では、北海道・東北が前年同月比48円増の1,092円、関東が同73円増の1,354円、甲信越・北陸が前年並みの1,110円、東海が同40円増の1,179円、甲信越・北陸が同5円増の1,113円、関西が同52円増の1,281円、中国・四国が同24円増の1,092円、九州・沖縄が同53円増の1,134円だった。